すこやかにおだやかにしなやかに の感想

色々な世代の、いろいろな悩みやストレスのある方にぜひ読んでみていただきたい一冊です。
私は「おだやかに」がとても心に残りました。自分を落ち着かせたいときや、考えが纏まらない時に読みたくなる本です。

この詩集は書店で見つけました。

谷川俊太郎さんの詩は、昔からとても心をひかれるものを感じていました。

どの詩も本当にすばらしかったです。

その中でも、私が特に共感した詩は次の二つです。

　　こころの色

　私がなにを思ってきたか

　それがいまの私をつくっている

　あなたがなにを考えてきたか

　それがいまのあなたそのもの

　世界はみんなのこころで決まる

　世界はみんなのこころで変わる

　あかんぼうのこころは白紙

　大きくなると色にそまる

　私のこころはどんな色？

　きれいな色にこころをそめたい

　きれいな色ならきっと幸せ

　すきとおっていればもっと幸せ

　　もっと向こうへと

　悪はあなたのもの

　哀しみはあなたのもの

　だが善と喜びもあなたのもの

　そして濁りないこころも

　清い泉も濁った泥水も

　みなあなたのこころから湧いてくる

　いま見えている世界はただのあぶく

　ただの幻

　世界をありのままに見るために

　目覚めよう　間違った夢から

　この世界のもっと向こうへと続く道がある

　喜びとともにその道をたどろう

そして最後に、谷川俊太郎さんが、「神」について、「目に見えないエネルギーのようなものとして感じられるようになりました。そのエネルギーはしかし不思議なことに、ときに人間の言葉で私たちにみずからを語るのです。」

と、書いていらっしゃって、とてもうれしかったです。

私もそのとおりだと思いました。