からだの中の外界 腸のふしぎ (ブルーバックス) の感想

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タイトルからだの中の外界 腸のふしぎ (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者上野川 修一
販売元講談社
JANコード9784062578127
カテゴリ暮らし・健康・子育て » 家庭医学・健康 » 家庭療法・医学 » 胃・腸

購入者の感想

 下痢や便秘、あるいは腹痛を起こしたりしないと普段我々は腸の存在を意識することはあまりない。しかし、意識するしないに拘わらず、腸は常に摂取した食べ物を消化し、吸収して働いてくれている。本書はそんな腸の姿を最新の研究成果を基に様々な角度から描いている。

 腸本来の機能である、消化・吸収についてもその能力の高さ、精妙さに驚く記述がいろいろとあったが、本書で最も興味深かったのは腸と免疫との関係について述べた第4章と、腸内細菌について説明した第5章以降であった。免疫に関係する細胞や抗体のうち、全身の50%以上が腸管の免疫系に集中しているという。また口や鼻、目などの粘膜にはIgAという抗体が存在し、病原菌等の侵入を防ぐ役割を果たしているが、それらの抗体は本来腸管の免疫系で作られ、また唾液に含まれるマクロファージなどの免疫細胞も腸管に由来しているというのも初めて知った。腸の機能が落ちると、体全体の抵抗力が落ちるというのも納得できる。

 また、腸には約1000種、100兆個にも及ぶ腸内細菌が存在しているという。我々の体を構成する細胞の総数が約60兆個というからその数の多さには驚くほかない。偏食やストレスなどで腸内細菌のバランスが崩れると体調が悪くなるというのも、数の多さから考えても当然かもしれない。また最近の研究によれば、腸内細菌は消化や吸収といった機能だけではなく、免疫力を高めたり、脳の発達に関係したり、肥満にも関係するというデータが得られているらしい。

 著者は本書において「腸の時代」がはじまった、と述べているが、確かに腸内細菌についてだけでも次々と新しい発見が続いているようで、今後も思いもかけないことが明らかになっていくかもしれない。そんな腸の研究の現状を知る上ではお薦めの本である。

表題のからだの中の外界の意味がわかりました。腸の進化の過程からあごのない最初の脊椎動物であるナツメうなぎなど円口類から進化してあごと歯のある魚類から両性類、人類へと進化してきたとのこと。海から陸へ食をもとめる。その危険性は想像を絶する、両性類の代表カエルになって始めて魚類にはない大腸が出現した。それは陸上生活で水分不足にならないようにとことん水分を吸収する器官である。など本当に理路整然と納得できる説明の思わす引き込まれるすばらしい本です。さすがブルーバックスで知的興奮を味わえる本です。
腸は年間1トンの食物を取り入れている。
85頁には「消化の意味」とは食物を吸収しやすく最小単位に分解し、アミノ酸レベルまで分解し、新たにたんぱく質を構成し直し、それから自分と同じ細胞を作る。
脳、脊髄,腸が一番多く神経細胞をも腸管は「自ら考える管状の器官」である。
便秘、アレルギーに関心のある人は必読の名著です。
関連書
「生物と無生物のあいだ」福岡 伸一
「腸管免疫力を高めて病気にならない生き方」松生 恒夫のレビューもご覧ください。

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講談社から発売された上野川 修一のからだの中の外界 腸のふしぎ (ブルーバックス)(JAN:9784062578127)の感想と評価
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