トラペジウム の感想

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参照データ

タイトルトラペジウム
発売日2018-11-28
製作者高山 一実
販売元KADOKAWA
JANコード9784040686967
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

最初に申し上げておきますが、自分はかずみんきっかけで乃木坂ファンとなり今は箱推しを自称しています。(写真集「恋かもしれない」も持っています)当然、こちらの小説を読む前には「面白い出来だといいな」「できることなら又吉のように何か賞を取って欲しいな」と期待していました。しかし、こちらの「トラペジウム」を読み進めていくうちに、次第と読み手が「置いてけぼり」を喰らっているかのような感覚に何度か出くわすようになりました。それはネタバレしない範囲で言うと「この人物は本当にこんな行動を取るんだろうか?」とか、「これは果たして誰が喋っているセリフなんだろう?」と疑問に思えてしまう場面が度々あって、そのたびに作品を読み進めるのをいったん踏み止まらなければならなかったからです。例えば、小説のかなり冒頭の箇所でのエピソードなのでネタバレという程でも無いと思うのですが、主人公がお嬢様学校の正門前でその学校名の書かれた銘板を足蹴にするシーンがあります。これって普通に考えるとかなり過激な行動だと思うのですが、主人公がそれをしてしまうに見合う背景や思考パターンについての記述が不足しているので読み手は「ええ!?」と驚かされてしまいます。もちろんこのシーンの後から主人公像が次第と明らかになっていくという表現手法もあると思うのですが、どうやら必ずしもそのように描かれているとも思えません。この主人公に関しては性格的にそれ程までにオモテ裏があるという感じでも無く、それでいて常に物事をシニカルに捉えるばかりでもなく他人に対して優しさや思いやりを見せたりもします。もちろん人というものが己の中にそうした多面性を有しているのは間違い無い事実だと思うのですが、そうだとしても1つの作品での主人公の描き方としては少々掴みづらいものになっているとしか思えません。そもそもこの物語で最も肝心な「なぜ主人公はアイドルを目指しているのか」「そこにどれだけの強い思い入れがあるのか」といった説明も全体を通じて希薄なように思えます。それとこの小説では女の子同士の会話が状況説明無しに繰り広げられるシーンが多々あるのですが、それが会話の前後の文章から「誰がどのセリフを話しているのか?」を読み取れるときは良いのですが、いきなり新しい段落の冒頭から会話で始められると「これって誰のセリフなの?」と、ここでもまたストーリーから突き放されてしまいま

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