車窓から日本を再発見! 全国ローカル路線バス (じっぴコンパクト新書) の感想

太川陽介と蛭子能収と不特定マドンナが旅する「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」はかくれた人気番組で、私も大好きであった。今年１月でいったん終了となってしまったのは、本当に残念である。
ローカル路線バスは、鉄道も通らない僻地をその守備範囲としていて旅情豊かなところを走り、都会で見られない景色を提供してくれる。以前は全国津々浦々に路線網を伸ばしてったが、過疎化に伴い確実に路線を減らしている。とりわけ、自治体間にまたがった路線の廃止は顕著で「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でもそのようなところは、蛭子さんがひいひい言いながら歩くほかなかった。さらに府県間をまたぐローカルバス路線はさらにレアで「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」のミッション達成の一番の妨げになっている。

私もバス好きで普通の人よりは多くのローカル路線に乗ってと思うが、客は私一人あるいは私の仲間だけ、地元の人はいても数人というのがほとんどである。こんな現状からこれからもローカルバスの廃止はすすんでゆくと思われる。その分コミュニティーバスやデマンドバスに移行すると思われるが、それらの路線はネットで検索すれば見つけることは可能な場合もあるが、基本的によそ者にとっては不可視な存在である。
しかしながらまだまだ味わいのある路線は残っている。本書はそんな全国選りすぐりの44路線を紹介している。バス好きにはたまらないコンパクトな一冊であると思う。本書のメインライターは存在すると思うが実名は記されていない。