FUJIFILM デジタルカメラ X100F シルバー X100F-S の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

初めて予約してまで欲しいと思ったカメラです。まずはこのスタイルに一目ぼれしてしまいました。何よりもデザインが抜群にいい。無造作にそのへんに置いてあるだけで絵になってしまうカメラ。
正直これまでのモデルは丸みを帯びすぎていたり、シルバーにも青みがかかっていたり、また不要なマークがついてあったり、ちょっとチープな感じがしてあまり心が動かされませんでした。しかし、今回のモデルには完全にやられました。シャープで高品位。どこから眺めても美しいシルエット。デザインに妥協はありません。手に取ったときのしっくり感もすごいし、各部の作り込みも半端ないです。
実物を見ればわかりますが、シルバーではなくクロームと呼びたいぐらい、往年のライカの梨地メッキを思わせる仕上がりで、名機の風格さえ漂っています。しかもレンズの開放最短付近ではオールドレンズのような甘く懐かしい描写が味わえます。開放でポートレート、絞ってランドスケープの使い分けができ、こうなればレンズ一本でスナップ道を極めたいと意気込んだかつてのストイックな写欲が再び沸き上がってきます。
さらにはこのモデルからフィルムシュミレーションに加えられたAcrossで、雰囲気のあるモノクロスナップが簡単に撮れてしまうとい豪華なおまけ付き。ブレッソンがまだ生きていたら、きっとこれを選んだんじゃないかなと思わせるほど、ストリートスナップの道具としては文句がつけられない仕上がりです。
ただ、一つだけ改善を希望したいのは、一般のフィルターやフードを装着しようと思えば、専用アダプター（もしくは継手アダプター）を介さなくては取り付けられないことで、カスタマイズしたいと思ってもレンズの全長が長くなってしまい、せっかくのコンパクトさが犠牲になってしまうことです。こういう趣味性の高いカメラはカスタマイズの自由度が高まればこそその真価が発揮されると思うので、ここは何とかしてほしいところだと思います。