大家さんは思春期！　４巻 (まんがタイムコミックス) の感想

１巻を読み始めた頃は、「こんな都合の良いアパートあるわけ無い」とか思いましたが・・・ごめんなさい、私が間違っていました。現在は、作者のプロットを理解し、「こんな素晴らしい作品はめったに出ない」と思いつつ、楽しく読んでおります。新巻が出る度に、作品のクオリティーが向上している点も、すごいと思います。読者は、前田さん（若い会社員）の目線で、チエちゃんの日常（思春期？）に仲間入りすることができます。様々なアパートの住人達に囲まれ、健気に生きていくチエちゃん。「麗子さんのキャラ弁」をきっかけに、学校でも親しい友達が増え、チエちゃん達の料理同好会も好調のようです。今回は、謎だった住人の一人、星谷 捺美さん（男）の詳細が明らかにされます。ただし、もう一人の黒岩さんについてはまだ謎のままです。

さて、巻が増すごとに、私の中で評価が高まっていく登場人物がいます。それは、美人ホステスの白井 麗子さんです。チエちゃんが天使でいられるのは、麗子さんが頑張っているからなのではないでしょうか。１巻の初めのころは「ダメな大人だ」と思いましたが、実は、とても良識があって、なおかつ天性の賢さを持っている人だと思うようになりました。家族のいないチエちゃんのことを、いつでも、しっかりと心配してくれているからです。未だ若いのに、素晴らしい女性です。例えば、もし麗子さんが愚者だったら、チエちゃんに高級ブランドの服を押し着せて、「絶滅危惧種的に希少な、チエちゃんの価値観」を破壊してしまったことでしょう。しかし、実際の麗子さんの対応は全くその逆で、チエちゃんの健気な生き方を貴び、日々それを愛でつつも、陰から全力で守っているのです。チエちゃんが天使なら、麗子さんは大天使なのでした。