Paradox(通常盤) の感想

「今までとは違うけど、布袋さんらしいアルバム」というのがPARADOXを聴いた最初の感想ですね、もちろん良い意味で。

でも、こういう感想は布袋さんの新しいアルバムが出る度に言っているので、そういう意味では本当に引き出しの多い人なのだなと。

布袋Voの歌モノとしては前作に当たるCOME RAIN COME SHINEはシングル曲を含んでいたこともあって、比較的キャッチーな要素が強いアルバムでしたが、今回のPARADOXはシングル曲が一切なしということで、比較的コンセプチャルでシブイ要素が強いアルバムだと思います。

海外をターゲットにしたNew BeginningsやStrangersを経たからこそ、壮大な35周年アニバーサリープロジェクトで過去を総決算したからこそ、ディープかつ自由に作れたアルバムという印象が強く、全体的にモダンで洋楽チックなメロディーとサウンドで仕上げられている。

PARADOXは、例えばスリル、POISON、バンビーナのような豪快かつポップな布袋寅泰の姿とは程遠く、メッセージ色が強くてバラエティ豊富でアダルトな布袋寅泰を楽しめるアルバムだと思います。

とは言っても、布袋さんらしいキャッチーなところはあるし、ヘヴィなところも楽しめるけど、アルバムの全体に漂う「New Beginnings、Strangers以降だからこそ生まれたサウンド＆アレンジ」によって、新鮮な気分で聴くことができますね。

個人的には捨て曲ナシのアルバムでどの曲も好きなのですが、ロック系ならばPandemoniac Frustration、Paradox、Parade、London Bridgeがお気に入りで、特に高橋久美子さんが作詞したチャットモンチーテイストの溢れる歌詞のParadeは、Roxy Music〜Sparksの影響が強いサウンドとの相乗効果で、不思議なポップテイストがクセになります笑。

あと、London Bridgeも不思議な世界観を持つサウンドで、ブリティッシュな歌詞とは真逆で凄くアジアンテイストというか、誤解を恐れずに言うと「お祭り」のようなサウンドがこれまたクセになります笑。