世界のエリート投資家は何を考えているのか、何を見て動くのか【電子オリジナル版】 の感想

マイナス金利や増税で自分の資産を増やすことはなかなか難しいと思われる
現代。TVCMや雑誌ではそんな不安を払拭するように株・不動産・金の投資を
呼びかける広告を見かけます。
「これからもっと価格が上がります」。この言葉を信じて夢を持ってこれらに
投資をする。
その結果として割高な金融商品を購入してしまう、毎年管理・運用手数料を
徴収される、しかも元本保証はなし。恐ろしいのはこんな投資家側には悪条件にも
関わらず、契約をしている人が非常に多いということです。

重要なのは、「何を根拠にどこに投資するのか」の前に、まず「避けるべき
ものは何か」を知っておくことです。著者は知っておくべきこととして、
地雷だらけの金融システム、知らぬ間に発生している手数料など９つの神話に
ついて解説しています。長期間投資をしていてもなかなか資産が増えないと
感じている人はこれらをチェックしてみましょう。

そして、学んだ知識については頭・感情・体で覚えましょう、と解説しています。
１日で読まずに１週間で１章でも構わない、学んだ効果は一生続く。自分の
レベルに合ったペースで読みましょう、ということです。
実際、投資未経験者には初めて聞く言葉や専門用語が多く、一度で理解は
難しいと思います。パソコンで調べながら１単語ずつ理解していけば問題は
ありません。そして、何度も読み返し自分のものにしましょう。

全天候型の「黄金のポートフォリオ」については、本を全て読んだ後に最後に
再確認する方がいいと思います。図を見ても分かりますが、2、３年といった短期で
収益をあげるというものではありません。半分以上を占めるのは中・長期の米国債です。
１０~２０年、それ以上の時間をかけて、確実性が高く効率的に収益をあげるものです。
投資に自信がある方は米国債だけでなく豪国債などに分散するのもよいでしょう。
大切なのは自分自身でメリット・デメリットやリスクを把握しておくことです。