「宇宙戦艦ヤマト」の真実 (祥伝社新書) の感想

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参照データ

タイトル「宇宙戦艦ヤマト」の真実 (祥伝社新書)
発売日販売日未定
製作者豊田有恒
販売元祥伝社
JANコード9784396115180
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

初回放映時は、途中から(木星浮遊大陸会戦のあたり)観ていて、「さらば」以降は初日早朝に映画館へ足を運ぶぐらいハマっていた世代です。
日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」制作の頃から筆者と「ヤマト」の因縁が始まっていたとは大変興味深かったです。参加スタッフの入れ替わりや、小説版に石津氏が起用された経緯なども、成る程と唸らされるものがありました。今でこそ様々な文献で、日本のSF文壇が当時のアニメだけでなくTV番組や映画にも深く関わっていた事が言及されていますが、「ヤマト」に関してここまで詳細に語られるとは思いませんでした。
本書の他にも、当時を振り返る評伝が出ていますが、今のうちに他の方面からも証言をまとめて貰えたらなぁと、当時のファンとしては切に思う次第です。

宇宙戦艦ヤマトに関わった、豊田有恒が書いた一冊だが、これを書こうと思ったのは、朝日新聞の連載らしい。書中では伏せ字になっているが、明かしても問題あるまい。むしろ、筆者が何を忖度しているのか、理解出来ない。
本書で描かれているのは、一つは西崎義展という人物の特異性であり、ヤマトが製作された時代の状況、そして、ヤマトが決して反戦アニメではないという主張である。もっとも、「反戦アニメではない」というのは本書の前書きと冒頭部分で書かれただけで、中盤以降はほとんどが西崎氏の傍若無人ぶりと、それでもなぜ豊田氏がヤマトに関わり続けたかという釈明だけだ。そう、ヤマト完結編にも関わった以上、これは釈明というしかないだろう。だから、この本にヤマトの真実は描かれていない。真実の一部はある。
それでも、日本のテレビアニメ黎明期から関わってきた筆者の話には、十分な価値がある。
ヤマトファン、アニメファンなら、勝っても損はないと思う。

始めに何故、今頃に「宇宙戦艦ヤマト」なのか?と豊田氏のまえがきがあります。
去年(2016年)に「宇宙戦艦ヤマト」の記事を某大新聞の取材を受けて協力されたそうです。しかし、豊田氏の意向を無視どころか、まったく違う方向に強引にねじまげられたとの事。その大新聞の解釈に抗議する意味もこめて、真実を書き残そうとの考えで本書を書く機会になったそうです。

ヤマトの真実と題した本ですが、日本アニメの誕生からヤマトに至るまでといった内容もあり。同時期に豊田氏と平井和正や手塚治虫との関わりも触れられています。豊田氏が日本のオリジナルアニメのシナリオライター一号になった経緯も興味深い。中には原子力の現実的な話もあって、豊田氏の理化学的な点にも詳しい洞察力も伺えます。

アステロイド6の企画書にまとまる以前の豊田氏による原案も書かれています。当時としてもハードSFな内容で西崎氏には理解が得られなかったようですね。
第一作では膨大な距離の宇宙空間をどう移動するか、ウラシマ効果の問題点なども既に検討されていたとか。以降も豊田氏によるSF設定は、白色矮星(さらば&ヤマト2では使用されず白色彗星に変更)→かたちを変えてヤマト3で使用、重核子爆弾、地球に水を説のアクエリアスなど本当に様々な核となるアイディアを考えていた事も分かります。採用はされなかったが第2作で西崎氏の要望で沖田艦長の復活案も検討してた事も驚きです。

ヤマトの事は当然、西崎義展抜きには語れません。ある時にヤマトに関わったスタッフの慰労をねぎらう為にハワイに招待したそうですが現地につけば次の作品の会議の目的だった…なども吐露されてます。ただ、西崎氏によるひどい目にあった話ばかりではなく、第一作の時に一緒にTV局に企画を持ち込みに行った時に、局側の担当が偉そうでも粘り強く話が出来ていた真面目な時期にも触れられています。
わずかな共通点を頼りに、人の心をつかむ天才でもあったとか、みずからはクリエイターではなかったが(中略)商売の能力も持っていたなどの西崎氏に対しての見解もされてますね。

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