医学図形データ1000+ PowerPointによる学会発表パーフェクトマニュアル (エクスナレッジムック) の感想

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東日本大震災の影響で春の学会は軒並み中止になったが、春が過ぎてようやく開催される学会もちらほら。重鎮やお歴々の前で大きな声では言えないが、学会で発表されるスライド資料のうち、見た目がまともなスライドはせいぜい2割。ワードアートを駆使した虹色の立体タイトル、お子様がお描きになったかと疑いたくなる稚拙な図には正直のけぞる。

学会発表のスライドは見た目も大切。格好いいデザイン、センスを感じるスライドなら印象も評価も数割アップするというものだ。

医学向けの学会発表・プレゼンの指南書というより、図形データ集といった趣の本書。図にもオリジナリティを追求して自作したい方はともかく、短時間に高品質のスライドを効率的に作りたい人には、1000点以上の図形データは大いに役に立つ。あるものは便利に使ってラクしましょ。価格は高めだが、1点4円と考えれば納得もゆく。スライドやポスター、レポートで数回使えれば元は十分とれそう。

主に医学、バイオ研究者向けで、私のお気に入りは人体・臓器の解剖図。解剖学アトラスほど精細ではないが、このクオリティなら評価できる。学生のレポート作成にも使えるだろう。

EMF形式のほか、PDF形式の図形データも併せて収録されているのでPowerPointやWordだけでなく、Keynote、Pagesでの利用もできる。もちろんTeXでもああしてこうすれば利用可能（笑）。