機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還(6) (角川コミックス・エース) の感想

　1stガンダムを知り尽くしたと自負する熱烈なファンにとっても多くは語れない「ジョニーライデン」「キマイラ隊」。模型誌やメカデザイナーが連動して製作に関わっているこの「ＭＳＶ公式続編」もこの６巻めでいよいよ長年の謎が明らかになってきます。 マンガを製作しているのは「ArkPerformance」。既存作品「ギレン暗殺計画」等でも作画・メカニズム・ＭＳ戦闘の精緻な描写で高い評価をされた、ガンダムエース連載作家中トップクラスのリアル趣向作家です。

　今回は、ジャコビアスやユーマの証言により謎のエース部隊キマイラの謎が一気に明らかになっていきます。部隊編成、構成人員、技術支援隊「ヒュドラ」、そして部隊創設者の思惑、何故エース級パイロットばかりが集められているのか、その行方はどうなったのか。　1stガンダムＭＳＶファンが長年けっして得られなかったその答えがすべてこの６巻に揃っています。
　加え、一年戦争時ユーマやイングリッドはなぜ若くして学徒兵とも異なる突出した能力のパイロットたり得たのか。　ボール／アッシマー乗りのブロイ氏の真実。　この作品内における謎も次々に白日の下にさらされてます。
　ＭＳの戦闘は今回はかなり少なめ。ですが回想において極めて重要な戦闘シーン、ユーマの銃弾で傷ついたジョニーが彼を逃がすため戦ったその結末までが描かれています。
　その場面には一年戦争時レッドが搭乗していたと言っていた「ジム・インターセプトカスタム」が登場。ここで読者が気になるのはその部隊名。それを率いる隊長の名が現在のその彼とは異なる事。　そして行方の分からなくなっていたあの機体が現在、誰のもとにあるのかが判明し〜　一年戦争におけるジョニーライデンの末路、少なくとも生死を知っているのが誰なのかはこの巻の話で特定できますね。　
　自らがジョニーだとは未だ認めていない主人公レッドですが、それが事実だと裏付けるデータや物証が今回も次々にでてきます。