「日本の経営」を創る の感想

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タイトル「日本の経営」を創る
発売日販売日未定
製作者三枝 匡
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532314224
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購入者の感想

BCGで日本法人で最初に採用された三枝さんと東京理科大学教授の伊丹さんとの豪華な顔ぶれ、ともに一ツ橋大学出身ではあるが
ともにスタンフォードに学んだもの同士、しかしながらプロの経営者に転向した三枝さんと学者の伊丹さんとの考え方はコントラストがあって、面白い。お互い本質的に同じことをいっていても、光のあてかたが違う。
 日本的経営を人本主義といい、人を資本とした経営として、欧米と本質的に経営スタイルが違うことを明文化しているが、解雇を前提としない日本的経営では、改革を起こすときに、どのような人材を改革リーダーとしていくべきか、改革に革新的に反抗する人材に対してはどう対処するか、ということも記述されている。極めて実践的だし、欧米スタイルの経営が日本が目指すべきではないといっているあたりも腹落ちがする

 三枝匡さんと伊丹敬之さんの対談形式。三枝さんは企業再生の請負人みたいな人で、現在はミスミグループのCEO。伊丹さんは東京理科大の経営研究科教授。二人はもともと友人関係にあるらしく、本書は伊丹さんが三枝さんに声を掛けて成立したらしい。そういういきさつもあってか、どちらかというと三枝さんが主導しするような対談になっている。
 曰く・・・
 アメリカ人は、意思決定のときに一面的なことを取り上げてバサッと決めてしまっている。ディシジョンが速いことは確かだが、結構、表層的でいい加減に決めていることも多い。日本は組織の継続性の強みがあるが硬直性の弱みがあり、アメリカはダイナミックだが継続性に欠けるところがある(三枝)。
 ベンチャーが若者の世界だというのは大誤解。あれは、本来、プロ経営者の世界(三枝)。
 アメリカは「参加」の国、日本は「所属」の国。アメリカ人は、参加対象(企業や組織)に不満があるときには退出してしまう。そのため、告発のメカニズム(それによる自力回復メカニズム)が弱い(伊丹)。
 日本の本当にいい会社は、年功序列という形式の中で、実質的に若い実力がある人に実質的な権限を渡すような隠れた努力をしている(伊丹)。その若者の給料が高いわけでもない。それでもがんばるのは、いずれ報われるという暗黙の了解(組織の長期継続性)があるから(三枝)。
 年齢構成が変化し、団塊の世代に管理職を与えようとしてポジションが増えて、若い人を登用する隙間がなくなり、若い人に権限を与えにくくなった(伊丹)。おかげで、今の若手の仕事はチマチマしたものになっている(三枝)。
 日本企業がアメリカと同じゲームをしたら後追いになるので負け戦になる。日本独自の「日本の経営」を作らなければならない(三枝)。
 株主の権利について最大のポイントは議決権の大きさ。多くの株主は企業成長には直接的に貢献していない。この事実を認識すべき(伊丹)。

伊丹敬之さんは、学者。だけど、すごく論理では実際は動かない事がある
ことに対しての理解が深く具体化が上手だという印象を受ける。
 反して、三枝匡さんは、実務家ながら抽象化、一般化が上手だ。

抽象化と具体化の間を行き来する。そんなお二人の経験、
歴史感から導き出された話が満載の著書。
米国企業、経営と、日本企業、経営との対比。過去と現在との比較を
対話形式でそれらの本質に迫っている。

頭の中が整理できる。 その本質を”今の日本に合った”
「日本の経営」を創る。に主眼をおき、決して米国賞賛ではなく、
加えて過去が良かったな〜っというノスタルジーでは決して無いという
点に共鳴と共感、そしてぐっときた。

僕自身もまた「修羅場」を、海外での経営を経験したい。
僕には遅すぎる?そんなことは無いはずだ。と思わせてくれた本だ。
大げさではなく、我が人生に於ける大きな価値と意味をもった
一冊になりそうだ。

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