修羅場の極意 (中公新書ラクレ) の感想

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参照データ

タイトル修羅場の極意 (中公新書ラクレ)
発売日販売日未定
製作者佐藤 優
販売元中央公論新社
JANコード9784121505002
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門

購入者の感想

マキャベリ、イエスキリストなどの言葉を引き合いに、修羅場になったときの佐藤氏の対処策などが書かれています。
この本の中で自分が最も参考になったのは、安藤美冬氏のところかな。
巻末の西原理恵子氏との対談も興味深かったです。

この筆者の「修羅場」というのは、ご自身の鈴木宗男と組んだ、外務省キャリア保身組との一連の戦い、刑事裁判での有罪判決などの体験画ベースになっていると思うのですが、刑事裁判を若干やった経験からすれば、この程度は「修羅場」とはいえません。

もっと社会の最下層から最上層まで、倫理道徳に背き・悪辣な限りを尽くす人間らはたくさんいます。

この新書は、マキャベリなどの歴史上の人物を著者なりにまとめたところがメーンですが、たいして面白くありません。つまり臨場感がない。
おそらく何冊かの著書参考書を机の上に並べて書かれています。つまり、座学。

もっというと、ごくごく細部の、ほんとの悪さが書かれていません。もうひとつ突っ込むと、現行犯的な悪さvs倫理観、みたいな感情面での起伏が書かれていない。

ゆえにふつうの本です。以前の著作のほうがはるかによい。

だんだんとこの著者も金持ちになって、精神的に「老成」(つまりつまらなくなった)と言うことかもしれません。
外務官僚にとっては、慶賀の至りなのかも。
もう一度、ほんものの牙を剥く日はあるのでしょうか?

雑誌連載をまとめた本である。修羅場に臨んで歴史上の達人たちはどう対処したのか、その作法である。
興味深い考え方の幾つかを示す。

.マキアベリは、人間の本質を悪とした。それは、政治に於いては、最小不幸社会の実現が目標となる。菅元首相夫人は、偉大な政治思想家であったが、夫は気が弱いところがありマキアベリズムを貫徹することが出来なかった。

.イエスは、敵と味方を峻別した上で敵を愛する努力をせよと言った。憎しみは、人の眼を曇らせ内在的論理を理解する事を困難にする。そして、受けるより与えることが幸せであるとも。

.政治とは、権力闘争であり且つ、同時に折り合いをつけるゲームである。真面な政治家がいないので政治家を志したと言う人はヒトラーと同じ素質がある。

.ユダヤ人は、子どもの出来が良いと財産を残さない。出来が悪いと持って逃げられる範囲で財産を残してやろうとする。
しかし、頭の中にあるものはどんな時代になっても持って逃げられる。

.ハッカー抜きにシギント(盗聴・ハッキング等)活動は出来ない。ハッカーたちは、ギーク(変人・オタク)と言われていてコンピュータ言語を自由に操ることが出来る。そのため、言語・民族・国家に対する意識が希薄でありアナーキズムに親和的である。このため、インテリジェンス機関とは相容れない。プーチンは、「元インテリジェンス・オフィサーは、存在しない」というのが信念である。

.人脈は、構築するより長期間維持する事が数段難しい。高いレベルで維持出来る人脈は、通常片手に収まる範囲内である。広く浅い人脈を幾ら作っても修羅場では、役に立たない。

佐藤優は、独房の中の暑さ・寒さは意志力で克服した。
しかし、友情・信頼・愛情という言葉については、繰り返し考えることを余儀なくされた。それは、歪曲・捏造・裏切りの調書を眼にしたからである。命を賭けても守らなくてはいけないという絶対的価値観を持つ者は、どの様な試練に於いても耐えられる。佐藤にとってそれは、キリスト教であった。

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