ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) の感想

前にレコメンされてる時絵があんまりだったのでスルーしてしまっていたのですが、イヤイヤイヤ! これは読まないと！ 面白いです！
まともな人間出てきませんけどねwww アイヌの生活習慣や生きる知恵、新撰組、歴史etc..色々学べます。
ヒロインのアシリパちゃんがアイヌとしての誇りを持ちとても賢く逞しくて、でも私は新しい時代のアイヌの女だという感覚も持っていてとても魅力的です(o^^o) 変顔もカワイイw
時代背景が上手く作用して登場人物達の狂気に説得力を与えてると思います。殺され方とか酷いので苦手な方もいるかもですが(私もどちらかと言うと苦手です…) 絵がドロドロしてないので私は以外と平気でした。
食事のシーンもとても丁寧にグルメ漫画ばりに描かれているのですが、お箸を持つ手の描き方がスゴく上手いと思いました。他の方のレビューで足の指にヤラレタっていうのがありましたが、私は手です！お箸を持つ手って何となく描かれてる漫画多くないですか？ この作品はちゃんと正しいお箸の持ち方してて安心しますw

全然書き足りて無いのですが久々のめり込んで読んでる作品です!

1~11巻まで読んだ感想。
金塊を巡って陸軍や新撰組や監獄を脱走した囚人達や、物凄い変人と戦ったり出会ったりする歴史文化爽快冒険活劇。
と、簡単に説明しようとしても色んな要素が混ざっていて一言では説明しにくい作品。
そもそも狩猟生活をしている二人の日常は、そこだけ切り取れば狩猟グルメ漫画のようでもある。
逆に24人の脱獄囚の刺青を探すストーリーはまるで王道冒険漫画のよう。
だがそれらの要素は上手く噛み砕かれており、あまり複雑には感じない。
要するにエンタメのハイブリットで「とにかく面白い」という言葉が似合う漫画なのだ。

興味深いのが色々な要素をいい所取りしつつもアイヌという舞台を選んで、しかもそこでの衣食住も描いた所。
独特な風土やコミカルに描かれる食事風景はなんだかリアルな「生」っぽさもあって本当に美味そうだ。
寒さに対する暖の取り方や、生活もライブ感がある。
登場人物達も良く腹が減ったり寒くて死にそうになったりする。
なので、政治的な事情や歴史的事情という観点を押し出しすぎずに
「そこで生きるためにどうするか」を面白く描いたのは良い判断だったと思う。

残酷な描写もあり、かなりの頻度で死人が出るが、作者の生来の気風なのかテンポ良く描かれていて不快感をあまり感じない。
むしろほとんどの人物が前向きなので「死んでも爽快、死ぬまで爽快」なパターンの方が多かった。
この辺りの「肉体的な部分」と「あっさり」さを嫌味なく描けるバランス感覚が優れていると思う。
特に前者を独特なノリでさらりと描けるのは他にはないものだろう。

アニメ化の予定もあるようで、今後様々な大人の事情が絡んでくるかも知れないが
この爽快なテンションを最後まで維持してくれる事を願う。