中二病でも恋がしたい! (1) [Blu-ray] の感想

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参照データ

タイトル中二病でも恋がしたい! (1) [Blu-ray]
発売日2012-12-19
監督石原立也
出演福山潤
販売元ポニーキャニオン
JANコード4988013253568
カテゴリ » DVD » ジャンル別 » アニメ

購入者の感想

タイトルと「ラノベ原作」という前情報だけを見ると「よくある学園ラブコメものか…」と、思われるかもしれない。しかしそこは京アニ。オカルトな世界観の中で「自分は凡人とは違う特別な力を持っている」と思い込む「中二病」の女の子、六花(りっか)と「元・中二病」の男の子、勇太が繰り広げるこの物語は、序盤では思春期の恥ずかしい自意識過剰をコミカルに描いていくが、その後、六花が秘めていた「受け入れがたい現実」が明らかになるというシリアスな展開となり、高校生の甘酸っぱい恋が描かれ、ラストでは古典映画のようなラブストーリーさえ、観ることができる。コメディとシリアスを行き交う硬軟取り混ぜた物語運びがテンポ良く、笑いながらも胸にジワリと来るような感動を味わうことができた。

キャラクターの可愛さと背景美術の美しさは「安定の京アニクオリティ」ということで、文句なしの出来栄え。しかし今作では、「中二病」の妄想世界で戦うバトルシーンやマンガ的なギャグシーンも随所に挿入されていて、他の京アニ作品と違った派手な演出を楽しむことができるだろう。(カッコイイ妄想バトルシーンを観て「自分もやってた〜!」っていう人、結構多いはず! 笑)

物語のテーマは、軽いタイトルに反して、意外と奥深い。「中二病」の卒業…すなわち、現実を受け入れ、大人になるということ、六花にとっては、受け入れがたい過去の出来事を受け止めること…の痛みを、まるで作者が過去の自分に語りかけるかのように…深い慈しみをもって描かれている。しかし最終回で、「中二病」を卒業したはずの勇太は、六花とともに、その「つまらない現実」に反旗を翻す。その爽快感とともに、「中二病」という用語は、ここではないどこかにある理想に憧れを抱かずにはいられない、哀しくも愛すべき人間への賛歌…にまで深められる。序盤を見ただけでは予想もつかないような深みのあるラストは、素晴らしいと言う他にない。

「中二病」を卒業したばかりの人、遠い昔に「中二病」だった人、そして今もちょっぴり「中二病」の気持ちが分かる人…にぜひ見てもらいたい、素敵な傑作。お勧めです。

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