この美術部には問題がある! (3) (電撃コミックスNEXT) の感想

従来よりラブコメ要素が強くなり、全く飽きさせない。

缶接キス（間接キス）の話が、一番のラブコメ回。ヒロインのみずきはこの巻でも本当に可愛い。安いツンデレキャラなどとは違い、素直になれないながらも、主人公に勇気を振り絞ったり、うっかりだったりで、好意をある程度出していくのが可愛い。良いヒロインだ。

主人公のロリコン疑惑の話が、一番のギャグ回。これはコマ割とカメラワークが本当に上手い。実に臨場感があり、大爆笑した。作者はシュールの天才だ（美術的には、シュルレアリスム？）。

更には、作者のふり幅はなかなか凄いなと感心したのが、「コレさんぽ」。まるで「よつばと！」のような空気感があり、少女の日常漫画として、成功している。新作があるならこの方向性も模索して欲しい。

私はこの巻を1巻の後に読んだが、知らない登場人物がいる以外は、全く違和感なく読めた（主人公とヒロインの関係も進んでないしね）。どの話からでも読めるので、いっそこの巻からでも読んで全く問題はない。

余談だが、この巻の途中から、作者は液タブを使っているらしい。でも、見た目には違いがほとんどない（笑）。絵は相変わらず上手い。

作品としての完成度が非常に高く、欠点らしい欠点がない。しいていうならば、作中で主人公はヒロインのパンツを見ている設定だが、読者には見えないのがズルイ。……というのはまあ冗談にしても、折角、わざわざ青年雑誌なのだし、少しくらいはサービスカットがあっても良いかも。