それぞれの情熱 の感想
参照データ
タイトル | それぞれの情熱 |
発売日 | 1999-09-08 |
アーティスト | ミージア |
販売元 | ダブリューイーエー・ジャパン |
JANコード | 4943674010547 |
Disc 1 : | それぞれの情熱 たとえそうだとしても 哀しき宿命 カラス 悲しみのファド 生まれた地の言葉で あなたが感じているのを知っていたなら 愛に渇いて ヴィーナスの誕生 夢のために 試作自由 それぞれの情熱(ピアノ・ヴァージョン) |
カテゴリ | » ミュージック » ジャンル別 » ワールド |
購入者の感想
ミージア、1999年リスボンはシャングリラスタジオで録音された5作目のアルバム。 昨今ポストアマリアロドリゲスのファディスタとして活躍するアーティストが随分増えてきた。1974年のカーネーション革命以来続いたファド氷河期が終わり、ポルトガルのアルマ(心)として再びファドが多くの支持を集めるようになったのだ。
新しいファディスタ達は必ずしも伝統的な形式に捉われることなく、斬新で自由な切り口でファドを歌う。そこには長年続いたアマリア・ロドリゲスの"最高故の威圧感"にさいなまれる様子はない。アマリア・ロドリゲスの素晴らしさを認めた上での新時代のファドの姿があるのである。
ミージアもそんなファディスタの一人である。リスボン万博(1998年)のオープニングセレモニーでの熱唱、モントルージャズフェスティバルへの参加、パリのオランピア劇場でのコンサートが評判になる等、ミージア自身歌手として充実し世界的なファド歌手としての名声を確立してきた時期に発表された作品がこの5作目となる「それぞれの情熱」である。
ノーベル賞作家のジョゼ・サラマーゴやポルトガルの国民的詩人フェルナンド・ペソア、現代女流詩人ホーザ・ロバット・デ・ファリア、果てはブラジル作家であるカルロス・ドゥルモン・ヂ・アンドラーヂ等の詩が取り上げられており、上手くミージアの個性と融和した楽曲は、リリシズム溢れる作品として我々の元に届けられた。
「ノスタルジックなファド。しかし、悲しみやサウダーデを歌っても、悲観や諦めという解釈ではなく、そこから何かを生み出す再生としての悲しみを歌いたい。」そう語るミージアの言葉には、ファディスタ、ミージアのエレメントを集約したファドの豊穣な可能性をみた思いがした。
新しいファディスタ達は必ずしも伝統的な形式に捉われることなく、斬新で自由な切り口でファドを歌う。そこには長年続いたアマリア・ロドリゲスの"最高故の威圧感"にさいなまれる様子はない。アマリア・ロドリゲスの素晴らしさを認めた上での新時代のファドの姿があるのである。
ミージアもそんなファディスタの一人である。リスボン万博(1998年)のオープニングセレモニーでの熱唱、モントルージャズフェスティバルへの参加、パリのオランピア劇場でのコンサートが評判になる等、ミージア自身歌手として充実し世界的なファド歌手としての名声を確立してきた時期に発表された作品がこの5作目となる「それぞれの情熱」である。
ノーベル賞作家のジョゼ・サラマーゴやポルトガルの国民的詩人フェルナンド・ペソア、現代女流詩人ホーザ・ロバット・デ・ファリア、果てはブラジル作家であるカルロス・ドゥルモン・ヂ・アンドラーヂ等の詩が取り上げられており、上手くミージアの個性と融和した楽曲は、リリシズム溢れる作品として我々の元に届けられた。
「ノスタルジックなファド。しかし、悲しみやサウダーデを歌っても、悲観や諦めという解釈ではなく、そこから何かを生み出す再生としての悲しみを歌いたい。」そう語るミージアの言葉には、ファディスタ、ミージアのエレメントを集約したファドの豊穣な可能性をみた思いがした。