「Gゼロ」後の世界―主導国なき時代の勝者はだれか の感想

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参照データ

タイトル「Gゼロ」後の世界―主導国なき時代の勝者はだれか
発売日販売日未定
製作者イアン・ブレマー
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532355227
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 国際政治情勢

購入者の感想

この手の書籍は時間の経過とともに現実との乖離が生じるが、この本は的確に分析されている。発行より約7年経過したいまも色褪せません。
我々日本人にはトランプ大統領の出現、言動が奇異に感じますが、この本を読むと必然の流れだと感じました。

シリアが内戦状態に入って、犠牲者が増え続けている。ところが国際社会は、何の手立ても打つことはできずただ傍観しているだけである。
 同様に、地球温暖化問題への対応が象徴するように、ここ最近の国際社会は、何も決めることができない場面が多くなっている。
 著者はこうした現象を「Gゼロ」の世界と名付け、世界がここに至った背景を詳細に分析している。

すなわち、第二次世界大戦後ヨーロッパとアジアが荒廃していた中で新たな超大国としてアメリカがG1として登場した。
そして、ワシントン・コンセンサスに象徴される米国中心のブレトンウッズ体制とIMF世界銀行による西側世界の復興。
そこへ襲った石油危機に対応しようとして始まったサミットにより創設されたG7体制の始まり。
そして東西冷戦の終結をきっかけに、先進国の停滞と新興国の躍進が進み、機能しなくなったG7に代わり世界金融危機後に始まったG20。
と概観したものの、G20では共通する経済的背景がないため、議論がまとまっていないと酷評する。

また、本書の中で日本に触れられた部分も多数ある。
破壊しつくされた廃墟の中からの奇跡的な復興と驚異的な経済成長。
バブル後の経済的な停滞と毎年のように交代する首相。
そして、東日本大震災からの復興という課題に比べて解決の糸口さえみられない経済停滞。
日本も内向きを強めようとする先進国のひとつとしているが、一方で増大する米中の影響のみられるアジア各国の通商や安全保障上の役割を担う立場にあるともして日本に一定の役割を期待している。

どうやら、各国が内向き志向を強める中で、世界は新たな国際関係を模索する時代に入った。
残念ながら、今のところその先に光は見えない。

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