ヒトラー(下):1936-1945 天罰 の感想
参照データ
タイトル | ヒトラー(下):1936-1945 天罰 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | イアン・カーショー |
販売元 | 白水社 |
JANコード | 9784560084496 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
下巻は天罰と副題があるとおり、政権掌握後旧ドイツ領の回復に掛けるヒトラーがズデーデン問題、オーストリー併合、そしてポーランド回廊問題から大戦へ突入そして自殺までを1115頁(上巻は845頁)で書かかれている。以前から検証されていて信憑性に疑いのある史料に依存することなくヒトラーの演説やゲッペルスの日記などソ連崩壊後入手できる史料に基づき、ヒトラーの権力のありようを問おうとする記述になっている。そのため下巻では権力を手にして外交問題や戦争当初勝ちつづけていたヒトラー(ヒトラーの外交や戦争指導はヒトラー個人の一種の賭け)の傲慢と絶対権力のもと統治機構の瓦解、ヒトラーの賭けが負けに初めてヒトラーの個人と体制の自己崩壊により自滅へと突き進む過程がよく描かれている。読んでいてたぶん訳者の注意不足カか?と思われる点が難点があるが(戦艦ドイツ(ドイチュランドのち改名→戦艦リュツオウー。間違いではないが解りにくい。クルスクの戦いで重戦車タイガー→エレファント)大変読み応えのある本でした。