海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス の感想
参照データ
タイトル | 海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 池谷 裕二 |
販売元 | 朝日出版社 |
JANコード | 9784255001548 |
カテゴリ | 暮らし・健康・子育て » 家庭医学・健康 » 家庭療法・医学 » 脳・認知症 |
海馬/脳は疲れない ほぼ日ブックス とは
ベストセラー『記憶力を強くする』の著者であり、気鋭の若手脳研究家、池谷と、クリエイターとして豊富な発想のノウハウをもつ糸井。この2人が、頭のよさや脳の使い方などをテーマに、興味深い対話を繰り広げている。たとえば、「『頭がいい』と『バカ』の差」について。2人は、記憶された情報を整理し、お互いを関連づけて、的確に表現できるかどうかや、「頭が真っ白」になるディスコミュニケーションの状態に陥るか否かなどのポイントに着目。最終的に、周囲との関係を遮断し、情報の入力をやめれば脳の働きはよくならないことを指摘している。ここで、自分の頭がどんな状態にあるかをチェックすることも可能である。
また、池谷は「脳は、ぜんぜん疲れない」「30歳以降に、脳の能力は飛躍的に伸びる」といった、脳に関する意外な事実を数多く教えてくれる。とくに記憶のカギを握るという「海馬」の研究の様子が述べられたところは、未知の領域に踏み込んでいくような興奮をもたらしてくれる。一方、そうした脳の科学を、クリエイティブな思考や生き方の問題などに押し広めて論じる糸井の話術はじつに巧みである。その知的好奇心のもち方には、見習うべきところが多い。
タイトルどおり、頭がよくなる可能性が科学的に証明されているほか、「よりよく生きる」ために頭をよくするという志の大きなメッセージが込められている。年齢とともに頭の働きも衰えると思い込み、マイナス思考に陥っているような人に、希望を与えてくれる1冊だ。(棚上 勉)
購入者の感想
何らかの問題に直面したとき、人の脳は、いろいろな情報をランダムに組み合わせて、最適な解を得ようとする。このような処理は、考えることをやめた後でも、無意識のうちに継続され、当初は全く関係ないとみなされていた情報どうしを組み合わせて、創造と呼ばれる結果に行き着くこともある。さらに、睡眠中にもこのような処理は活性化され、記憶された情報を再生しながら、整理したりしている。
特に、若いうちは、脳の神経は、つくられたり壊されたりしているので、失敗を恐れず、新たな経験を積極的に積むことにより、神経の結合の組み合わせをべき格段に増やすことができる。(サルの学習実験でも、多くのミスをしたサルの方が、記憶の定着率がよいことが報告されている。)
しかしながら、人工知能に関する昨今の研究において、ディープラーニングと呼ばれる技術により、コンピュータも、上記のような創造行為に威力を発揮するようになった。
とすれば、脳にしかできないことは、何なのか?
脳は、上記のような最適解だけでなく、前頭葉はモチベーションや人間としての欲を、また側坐核はやる気を我々に与えてくれる。結局、行動を最終的に決定づけるのは、人の意志なのだ。
特に、若いうちは、脳の神経は、つくられたり壊されたりしているので、失敗を恐れず、新たな経験を積極的に積むことにより、神経の結合の組み合わせをべき格段に増やすことができる。(サルの学習実験でも、多くのミスをしたサルの方が、記憶の定着率がよいことが報告されている。)
しかしながら、人工知能に関する昨今の研究において、ディープラーニングと呼ばれる技術により、コンピュータも、上記のような創造行為に威力を発揮するようになった。
とすれば、脳にしかできないことは、何なのか?
脳は、上記のような最適解だけでなく、前頭葉はモチベーションや人間としての欲を、また側坐核はやる気を我々に与えてくれる。結局、行動を最終的に決定づけるのは、人の意志なのだ。