記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス) の感想

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参照データ

タイトル記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者池谷 裕二
販売元講談社
JANコード9784062573153
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 読みもの

記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方 (ブルーバックス) とは

   タクシーに乗って行き先を告げると、たいていの運転手は地図を見ずに車を走らせる。彼らの頭の中には複雑な地図がすべて入っているようで、その卓越した記憶力には驚かされる。

   本書は、そんなタクシー運転手の記憶力を脳科学的に解析したマグワイヤの研究の紹介から始まる。その興味深い研究の結果、タクシー運転手の脳のある部分が一般の人よりも大きく、しかもそれはベテランの運転手であるほど大きいという驚くべきことがわかった。

   よく年をとると記憶力が衰えるといわれるが、この研究は成人した後であっても鍛えれば記憶力がよくなることを示している。しかし、そうは言っても成人して年齢を重ねるごとに記憶力が落ちていくのを感じるわけだが、脳科学は脳の構造にあわせた3つの「記憶の仕方」があることを教えてくれている。それは(1)何度も失敗を繰り返して覚える、(2)きちんと手順を踏んで覚える(易しいものから難しいものへ)、(3)まずは大きく捉え、最初から細部にこだわらない、である。年齢と共に「丸暗記」する能力は衰えていくが、この方法を用いれば記憶力は鍛えられる。

   本書は記憶に関する脳科学の興味深い研究を、歴史に沿ってわかりやすく紹介している。また「テストの直前に詰め込み勉強をするなら徹夜するよりも早起きして勉強した方が良い」「テストの前に風邪薬を飲むと記憶していたものが思いだしにくくなる」など、記憶力に関するアドバイスもかなり具体的だ。

   文章も読みやすく、必要な生化学や脳科学の基礎知識もわかりやすく解説してあり、記憶のみならず広く脳科学に興味を持っている人にお勧めできる。(別役 匝)

購入者の感想

ベストセラーになった糸井重里さんと対談形式で進める『海馬』は、
2002年の初版を読み池谷さんのファンになりました。
2001年に出版されている同書は、ターゲット層が異なるので新しい発見があり、
併読すると『記憶』に関する知識が深まります。

高い周波数で海馬のシナプスを刺激すると、
シナプスの結合が長期的に持続することを、
専門用語でLTP(long-term potentiation; 長期増強)ということ。
だから、記憶をするときはリラックスしているときに効率よく出来たり、
記憶の整理には、レム睡眠のθ波の状態が増強しやすいんだと妙に納得しました。

また、例えば"A"という文字に関しては、
手書きも印字も崩し字も全部同じ文字として認識するために、
脳は緩く曖昧に記憶するため、繰り返し学習することで
記憶が増強することも、他の人に説明する際に説得力のある材料となります。

エビングハウスの忘却曲線に基づく復習の大切さも
記憶に関するキーワードとして
側頭葉(長期記憶)に残しておきたいものです(笑)

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