ガンジーの危険な平和憲法案 (集英社新書 505A) の感想

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参照データ

タイトルガンジーの危険な平和憲法案 (集英社新書 505A)
発売日販売日未定
製作者C.ダグラス・ラミス
販売元集英社
JANコード9784087205053
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

著者の意図は理解でき、そのスタンスにも違和感はないしむしろ賛意を表する。
確かに「平和」が虚構であり、力による正義こそ求めるべき」という論に対する
有効な対論と思える。
特に市民社会を「立ち上がって(暴力によって)権力を奪取しない。国家をのっとるのでは
なく、国家と立ち向かい国家をコントロールする機構と把握し、平和的に行動するあり方が望ましい」
この論に反対はできない。「市民」を「階級対立の道具」とはせず、社会を構成するメンバーとして、
ガンディーの「不服従・非暴力」の路線は正しく思える。
そうなのだが…

著者はガンディーの論をふんだんに引用しつつ、上記の論を展開する。確かにガンディーという
「偉人・聖者」は、自らの行動が多くの国民に影響力を与えることができた。
しかしそのガンディーの行動を無名の人間が行ってどれほどの影響があるのかいささか疑問。
かなりの「有名人」でないかぎり、ハンスト的行動がどれほど有効かは疑問を持つ。

「ゆっくりと時間をかけて行動する」ことは大事であり、ガンディー自らが「数百年先」を
見据えていたのは間違いない。その意味で「無数の石を積むごとくに…行動する」ことも
決して否定するべきではない。

だがその一方で、「現在の憲法や社会構造に自分の人権や命が預けられている人間」が果たして
「何百年も市民社会の成熟を待つ」ことができるのか。という疑問は残る。
簡単に言えば、「不可触民問題」のこと。

ガンディーの脳裏にも著者の脳裏にもこの「差別される側の人間」があったのか。
特に「国家を数万の村落に分割する」というガンディーの案に対し、著者もかなりの
ノスタルジーを込めて賛意を表するが、この点においては全く見当はずれの意見。
インド古来の村落でいかに沢山の「不可触民」が辛酸をなめて来たのか。
この発想が一切ないのに驚く。
「近代化」が全て正しいと思うほど愚かではないつもりだが、ことインドに関しては

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