ディストピア(デラックス・エディション)(DVD付) の感想

グラミー賞受賞に輝いたメガデスの最高傑作が新たな息吹を持って動き出す。

2016年1月に発売されたMEGADETH通算15枚目のアルバム、「Dystopia」に最新のライヴ音源と映像、日本未発表の2曲を追加した日本限定の来日記念スペシャルパッケージである。

2017年2月12日に第59回グラミー賞のベストメタルパフォーマンス部門にてタイトルトラックのDystopiaが受賞。12回のノミネートで初の受賞にエキサイティングしたことだろう。

ドラムを担当したクリス・アドラーはLAMB OF GODに戻り、クリスの推薦で元SOILWORKのディルク・ヴェルビューレンが新加入。映像とライヴ音源はディルクのドラムを聞くことが出来る。

デイヴ・ムステイン大佐の依然としてささくれ立ったセンスを軸に、ANGRAと兼任するキコ・ルーレイロの歴代ギタリストとは一味違ったメロディラインかま上手く機能している。そこにデイヴィッド・エレフソンのリズミカルなベースラインが絡めば、MEGADETHのレガシーを大事に温めながらも守りに入った感のまったくしない攻めに攻める姿勢が現出する。彼らは恐れることなく前を向き、新たなステージでこれからへのモチベーションを高めて駆け抜けていくのだ。

クリスのキレの良いドラミングは好きだが、ディルクのシュアなプレイも何気に好きだ。

2016年発売のアルバムで一番のベストアルバムと評価したが、この来日記念スペシャルパッケージはある意味「Dystopia」の完全版としての立場にあるだろう。10年ぶりの単独公演が決定したことで、来日記念スペシャルパッケージをリリースし再びアルバムが日の目を見ることになったのだ。

ベストメタルパフォーマンス部門で受賞したバンドの現在の姿が凝縮された構成された構成になっている。

新たに追加された2曲、Look Who’s TalkingとLast Dying WishはiTunes Storeとベスト・バイ・エクスクルーシヴ、特別仕様のアプリと連動して使用するバーチャルリアリティーゴーグル付きの限定デラックスCDに収録されていた楽曲だ。