4億年を生き抜いた昆虫 (ベスト新書) の感想

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本書の趣旨はタイトルに見える通り、『昆虫』に関するミニ図鑑と言って良いだろう。このページの「商品の説明」には、「昆虫の起源や形態に始まり、興味深い昆虫の生活戦略……代表的な日本の昆虫の造形美や生態を美しいカラー写真で簡略に解説……体の構造、擬態……大人のための昆虫カラー新書」とあるが、ほぼ本書の趣旨を言い尽くしている。詳しい構成・内容は、このページの「なか見！検索」機能や前記「商品の説明」及び「目次を見る」に譲るが、概ね概論、特殊能力、整体などのトピック・カテゴリに分けて、写真を見開き２ページ、次にテキスト解説（本文）を見開き２ページ（２種の昆虫・トピックを各１ページ）ずつ交互に展開する形式である。但しテキスト解説に関連する写真の掲示方法が、その直前・直後の見開きページの何れかに統一されておらず（前ページで解説済みの写真に混じって次の解説トピック写真があるなど）、また前後何れにも掲示されるものもあって些か戸惑うところがある。新書と言う物理的制約は理解できるが、読みやすさ（図鑑形式）と言う点で工夫が欲しかったところと思う。個別種の解説ページでは英名、学名、分類等の生物学的データが示され、ミニ図鑑形式を備えており解説も要点を的確に絞ってトリビア的要素も織り込むなど読んでいても面白い。

個人的に興味深いトピックとしては、まず『昆虫』の「翅」の起源がエラ（水生から陸生への進化の名残ーー飛ぶための必要な道具としての温存）という仮説である（24～25頁）。この仮説は「カゲロウ目」の幼虫が水生で、「エラ」が体節の両側に付いておりことと成虫に“変