フクロウからのプロポーズ の感想

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参照データ

タイトルフクロウからのプロポーズ
発売日販売日未定
製作者ステイシー・オブライエン
販売元日経ナショナルジオグラフィック社
JANコード9784863131019
カテゴリ文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » 英米文学

購入者の感想

1985年のバレンタイン・デー、著者ステイシーの出会った、翼を傷めたためもう野生には還せないというメンフクロウの雛。
「手許に置いて、一生世話してやるしかないんだ、ステイシー。彼を“養子“にしてやれないかい・・・?」

やんちゃで好奇心旺盛なウェズリーが巻き起こす数々の騒動。
餌の冷凍マウスとの格闘、穴だらけになった箪笥のワードローブ、
フクロウ中心の生活になった著者ステイシーにとって、すべてが何にも代えがたい黄金の日々である。
そして、ウェズリーが三歳半になったころ起きたひとつの異変。
それはウェズリーからステイシーへのプロポーズだった。

生物学者ならではの、フクロウの生態についての記述が実に興味深い。
フクロウの知能はきわめて高く、その感情は繊細で愛情深く、誇り高い。
群れをつくる習性が無いため、社会的な動物である犬などと違い、「躾」を受け付けない。
(ひとたび、声を荒げ脅したが最後、二度と飼い主にはなつかない)
自分の身に起きたほんの小さな事件に動揺し、生きることに背を向けてしまうことがある。

そして、ひとたび番えば一羽の相手と生涯連れ添う。
相手が死ぬとふさぎこみ、枝にとまって木の幹を凝視したまま死んでゆく場合もあると言う。
なんて、繊細で、こころを苦しくさせるエピソードだろう。

フクロウに関する文章の他にも、職場であるカルフォルニア工科大学の研究所に集まってくる研究者たちの、
愉快で奇妙な「生態」に関する章も大変面白かった。
ウェズリーを亡くした今、著者は闘病中ながらも野生動物リハビリセンターで活躍とのこと、ぜひ次回作を発表して欲しい。

ハリー・ポッター人気のためか、誕生日やクリスマスプレゼントにフクロウをねだる子供が増えているという記事を読んだ。
そんなおねだりをお子さんにされたご両親は、ぜひこの本をプレゼントされれば、と思う。
ときにユーモラスでありながらも、野生動物と向き合うこと、
異種の生物を尊重しつつ共存してゆくことを深く考えさせてくれる本である。

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