Coyote No.55 ◆ 旅する二人 キャパとゲルダ 追走 沢木耕太郎 の感想

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キャパについての本は自伝も含めて相当な数が出ていますが、
ゲルダ・タローについては、ウィーラン著のキャパにキャパの恋人として登場する程度で
あまり詳しく書かれた本はありません。

この夏（2015年）イルメ・シャーマーの伝記　ゲルダ　が高田ゆみ子さんの翻訳で出版されますが
その内容にも一部言及した非常に資料性の高い内容に仕上げられています。

圧巻なのはアメリカのLIFEにキャパの”崩れ落ちる兵士”が掲載された
1937年7月12日号の全ページが掲載されていることです。
これをeBayなどで買おうとすると1万円ていどする上に
全ページが揃っていることはまずありません。
（私のLIFEも5ページ程度脱落していました。）

もちろん載っているといってもサムネイル版程度なので
文字を読むことは出来ませんが、写真は十分に観ることが出来るし
雰囲気を味わうことが可能です。

また2013年2月3日に横浜美術館で行われた沢木耕太郎氏の講演の内容も
”こんにちは　今日は大勢来てくださって、ありがとうございます”
などと挨拶の部分から活字化され4段書きの17ページで掲載されています。

本書は雑誌ですが、沢木耕太郎スペシャルと言ってもいい内容です。
過去の文献の書き直しではなく沢木氏らしい取材で得られた新情報にあふれています。

キャパが好き　そしてゲルダのことも知りたい
当時のLIFEを見てみたいとちょっとでも思った人は買って損なしの内容です。