日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ (文春新書 942) の感想

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タイトル日本型モノづくりの敗北 零戦・半導体・テレビ (文春新書 942)
発売日販売日未定
製作者湯之上 隆
販売元文藝春秋
JANコード9784166609420
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 産業研究 » 製造・加工

購入者の感想

日本メーカー、特にソニー、シャープ、パナソニック、NEC、日立、三菱電機などの電機メーカーは、サムスンやアップルなどに敗退している。
なぜ、日本型ものづくりは世界で勝てないのか。その理由を考察した一冊。

筆者の湯之上氏は、日立製作所入社から16年にわたり半導体の開発に従事した、日本のものづくり現場を熟知した人物である。

湯之上氏は、日本企業の問題点は「イノベーション」の捉え方にあると指摘する。
イノベーションは「技術革新」と同義で使われることが多いが、経済学者シュンペーターの定義では、「発明と市場との新結合」であるという。
いくら革新的な技術が生み出されても、それが技術者の自己満足に過ぎず、ユーザに普及することがなければ、それはイノベーションとは呼べない。
湯之上氏は、「爆発的に普及した技術や製品」をイノベーションと呼んでいる。

「日本の技術力は高い」と日本人の多くは何の疑いもなく信じているが、そもそも、「技術」の定義はひとつではない。

日本は確かに「高品質を作る技術」は高いが、「低コストで作る技術」は韓国メーカーや台湾メーカーに負けている。
さらに、サムスン電子は専任のマーケッターを数多く配置し、市場の動きにいち早く対応している。

日本の中においても、例えば日立とNECでは「技術開発」の定義が異なるという。
半導体の開発において、日立の「技術開発」は、新材料や新構造を検討し新装置を開発することを指す。
一方、NECの「技術開発」は、試作ロットが流れるための最適条件を決めることを指すという。
エルピーダメモリにおいて、日立とNECという文化の全く異なる2社が合併したが、規模が大きくなったのみで、その中身においてはそれぞれ合併前から変わることはなく、混ざり合うことはなかった。

日立にしろNECにしろ、エルピーダにしろルネサスにしろ、半導体業界にしろテレビ業界にしろ、技術力の使い途を誤った日本企業は、世界の中で勝ち抜くことはできない。

日本企業は、欧米やアジアの後追いだけに終始するべきではない。

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