新編 底なし淵 (ヤマケイ文庫) の感想

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参照データ

タイトル新編 底なし淵 (ヤマケイ文庫)
発売日2017-03-03
製作者村田 久
販売元山と渓谷社
JANコード9784635048330
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

購入者の感想

岩手遠野の里山や深い渓が主な舞台とのこと。
渓流釣りを通じて語られる、ちょっと昔の日本の里山。
釣りをしたい欲望から始まる里山の人々とのかかわりや深い山での不思議現象を、穏やかな文章で表現してあり読みやすい。

深山の神秘的な雰囲気や、その里でしたたかに暮らすジジ、家を守るババ。
主に出会うジジは只者ならぬ釣りの超人だったり、ババは古民家の奥からわりとぼんやりと現れる場面多し。
そんなところも昔の里の雰囲気が伝わってきます。

困った時に民家を訪ねちょくちょく上がり込む様は、現代に失われた景色で懐かしく微笑ましい。

昔から日本の里で語られるような不思議現象も、シンプルな表現だがどこか現場感が伝わってきてイメージしやすく、恐怖感というよりその空間にロマンを感じさせてくれる。

釣りに興味がなくても、深山、里山、昔話なんかに興味があれば十分面白い。
ミステリアスな題名ですが、読後は不思議と穏やかな気持ちになります。

何度も何度も読み返しています。
岩手の渓は、今でも国内では屈指の自然度を保っていて、釣り人にはパラダイスである。とはいえ、自分が釣りを始めた20数年前には、この本に出てくる、大岩魚が群れる夢のような渓はすでに消えていたように思う。川自体は今も存在するが、河川工事などで人の手が過度に入って荒れ果て、魚たちには住みにくい場所になってしまっている。村田久さんの若いころの渓にまつわる印象深い実体験を集めた本書は、古き良き岩手の渓や、その周辺で暮らす人々の営みを頭の中で空想することができる、本当に貴重な作品です。

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