男はつらいよ　寅次郎恋歌　ＨＤリマスター版（第８作） の感想

この当時、片親（特に母子家庭）の子供に何故か世間の
風当りは強く肩身の狭い思いをしたはずだ。
また、妻を亡くした博の父は身勝手な長男の同居話を断り、
備中松山城下・高梁の生家での一人暮らしを選ぶ。

孤立し孤独に陥りやすい悲しい状況にこそ、われらの寅さん
の存在が大きな意味を持つ。
" 遠くの親戚よりも近くの他人" という諺の通り、寅はポイと
姿をくらます先で身近な他人様と強い絆を作っていく。

そこに熱い人情を感じるということは、実は普段のわれわれ
の暮らしの中に多くの "薄情" が入り込んでいることを、観客
に問いかけている様に感じ出した。
今になって、このシリーズ単なる喜劇ではないな。。。。と
思い始める。