男はつらいよ　フーテンの寅　ＨＤリマスター版（第３作） の感想

シリーズ第３作。この頃は２ヶ月に１本のペースで量産されています。

この作品では、山田洋次監督ではなく、森崎東監督がメガホンを取っている点が大きな違いです。
演出家が違うとこうも違うかと思わされる程、異色な寅さんが展開されるため、
山田作品に馴染みのある方は少し違和感を感じるかも知れません。
アップの多様、効果音など演出として喜劇の要素をより強調しつつ、いつもより荒々しい寅さんが見られます。

山田作品では、失恋など辛い事があっても、最後は温かく寅さんを包み込む様な演出がなされますが、
今作品では、非情なまでに惨めな寅さんが描かれているため、好みが分かれる所でしょうか。
同業者に対してのテキヤ稼業の風習など、いつもとは一味違った寅さんを楽しめます。