水滸伝 十三 白虎の章 (集英社文庫) の感想

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タイトル水滸伝 十三 白虎の章 (集英社文庫)
発売日2012-09-28
製作者北方謙三
販売元集英社
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カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

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大刀は、醜郡馬や副官カクシブンらとともに梁山泊に加盟しました。その理由が、どういう方法であれ北京大名府から梁山泊軍を撤収させて官軍への義理を果たした、あとは饅頭の借りを返すという人を食ったもの。軍事だけでなく文治の才能も感じさせます。

饅頭の貸しを作ることで官軍の中の優秀な人材がスカウトできるのであれば、母大虫が北京、東京、南京、西京あたりに出張して焼き饅頭をふるまえばよろしい。しかし、オルグチームの根回しやら助けがないと現実には無理でしょう。

大刀の加入により、混江龍はいよいよ念願の水軍の立ち上げと強化に専念できます。河川用のものは東京開封府および流花塞をめぐっての攻防のため。海洋用のものは陸からでは不可能な遠隔拠点構築や交易路開拓のため。ここで阮家兄弟や混江龍の一党の力が生きてきます。

いっぽう行者と黒旋風は宋大公(宋江の老い先みじかい父親)の世話をしますが、黒旋風の意外な多芸さと純粋さ。宋大公もついに心を開きます。

さて、戦闘面に目を向けますと、趙安撫がいよいよ本格的に登場。官軍の他の部隊と連動して南は流花塞、北は双頭山までの範囲でどこが本当の狙いなのかわからせないような陽動作戦。これに梁山泊は乗せられてしまいます。どちらもカバーしようとすれば、どちらにも対応できない。豹子頭や九紋龍の騎馬隊は直感で動きますが、これが当たれば敵の斥候は追いつけない。しかし、初動対応のちょっとした判断ミスから、おなじみの好漢が壮烈な戦死を遂げます。まさに死域にはいっていました。

南では、官軍側の造船所を焼き払う作戦がおこなわれますが、焼き討ちは成功したものの、実行部隊長の毛頭星が 逃げ遅れた部下を待って逃すため、一人炎の中で撤収の合図をするという、これも壮烈な戦死。陸戦で撤収時に殿軍を務めた天目将も戦死。双鞭は笑面虎の飯店で酒を飲みながら涙を流します。

ほのぼのとした部分と戦闘シーンがミックスされた一巻。

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