カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 1 (講談社文庫) の感想

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参照データ

タイトルカジュアル・ベイカンシー 突然の空席 1 (講談社文庫)
発売日2014-02-14
製作者J.K・ローリング
販売元講談社
JANコード9784062777711
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 英米文学

購入者の感想

多くの方が言われていますが、読破するのがきついことは確かです。ハリーポッターとは全く別物と散々前触れがあったし、ローリングはファンタジーはもう書かないと公言していたので、そういう期待はしていませんでした。しかしこういうことだとは思っていませんでした。
登場人物の多さに関しては私はそれほど気にしません。元々カタカナの名前に強いのもあるし、読んでいるうちに頭に入ってきます。
ただ、これもまた指摘されている方がいましたが前半の展開が非常に遅い。下巻に入ってもなかなか事体が大きくは進展せず、スピード感に欠ける。起こる事件も非常に些細なことで、宣伝文句にあったのとはかなり違う印象を受けました。

そして私にとって読み進めるのがつらかった一番の原因は、登場人物に誰一人魅力的な人がいないことでした。ピカレスク小説と言うんでしょうか、そういう小説なので仕方ないんですが、読んでいてうんざりするほどひどい人物ばかりです。私は本を読む時、誰か好きな登場人物を見つけてその人の登場シーンを楽しみながら読むということが多いので、この点は非常につらかった。別に冷徹でも腹黒くても良い、もう少し賢明で理性的な人物が一人でもいたら全然違っていただろうにと思ってしまいます。残念ながらこの小説における唯一それに近い人物は初っ端に死んでしまい、この町には他にまともな人物が一人もいないようです。

ただ、これはこの小説の優劣の問題ではなく、単に私の好みの問題かもしれません。風刺小説が苦手なだけなのかも。私はハリーポッター(映画ではなく本)の大ファンですし、あのシリーズのファンタジー要素よりもミステリー要素と人間ドラマの秀逸さに心を奪われたので、ローリングの次回作に期待しています。

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