ヤマケイ新書 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち の感想

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タイトルヤマケイ新書 大地の五億年 せめぎあう土と生き物たち
発売日2015-11-20
製作者藤井 一至
販売元山と溪谷社
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購入者の感想

欧州最大級の活火山エトナ山(シチリア島)の近所に15年間住んでいます。だから朝起きるとテラスが火山灰で真っ黒になっていたり、夜中には赤く輝く溶岩流を「スペッターコロ!」と喜んで皆で見に行ったりします。海岸の岩石はかつての噴火の溶岩流で出来たもの。真っ黒な海岸線は日本でいえば伊豆大島の海岸の景観によく似ています。岩石も土も、実に面白い!私は海にも潜りますが、海底にはかつてシチリアがギリシャ時代だった頃の遺跡がゴロゴロ。一部は博物館に寄付しますが、一部は…(笑)。本書では、1メートル掘ると縄文時代の土に当たると書かれていますが、海底はそうはいきません。うねりや波が海底の土や泥を勝手に掘り起こしたりするからです。

さて、土。

宇宙飛行士ガガーリンが「地球は青かった」と言ったらしいということは、もちろん知っている。しかし私は子供の頃から、地球はチョコレート色の星だとずっと思ってきた。何故なら足元の土はチョコレート色だから。黒でもない、茶色でもない、しいていえばこげ茶色、チョコレートと同じ色の土が、いつも足元(自宅の庭)にあった。

土は、様々な、いや、すべてのものを「載せて」いる。(易の教えでもある。坤(こん=地)の徳のひとつに「載せる」ということがある。)そして載せているものを選んではいない。選り好みをせずになんでも載せる。土から植物が生まれ、その植物が枯れて腐って土になる。生成を促すのも、死骸を取り込むのも土だ。岩石が風化して土になる。五行思想の土性の役割がそのまま土の役割である。

本書によれば、ガガーリンは「地球は青みがかかっている」と言ったそうだ。ほーら、やっぱり。青みがかったベールのようなものがかかっていたそうだ。一方、地球の表面の七割は海洋だから、青かったと言ったとしても表現が当たっているだろう。

海洋の底も、土だ。土は大海をも載せている。本書はその「土」に魅せられ、世界中の「土」を研究しに飛び回る専門家の、とてつもなくマニアックな本である。

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