文章力の基本 の感想
参照データ
タイトル | 文章力の基本 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 阿部 紘久 |
販売元 | 日本実業出版社 |
JANコード | 9784534045881 |
カテゴリ | 人文・思想 » 言語学 » 日本語・国語学 » 日本語研究 |
購入者の感想
長所は :
(1) 文書構成ではなく「文」に焦点
本書は、一つひとつの「文」をいかに理解されやすく書くか、というミクロな話題に重点をおいている。
他の文書作成本の大半は、英作文の技法を輸入しただけなので、資料集めや章立て構成といったマクロな話題の解説だけで終わっている。
これと対照的に、本書は文単位のミクロな分析に注力している。その結果この本は、日本語文法特有の問題を真正面から扱うことになった。これが際立った特徴である。
(2) 例文が豊富
ひとつの話題について、3〜5個くらいの例文・その改善例が挙げられている。本書の傍題は「77のテクニック」だから例文は数百にのぼる。しかも例文はどれも、実際に出くわしそうな悪文である。
本書の例題に目を通せば、大量の文書校正を実際にやってみた場合と同程度の経験値を得られるだろう。
(3) 前置きが短い
本書では、「はじめに」「目次」の後、いきなり「第1章 短く書く / ヒント01 短く言い切る勇気を持つ」と本題に入る。読者が知りたいことが真っ先に書いてある。
他の文書作成本の大半では、第1章は、読者にとって無意味な能書きで浪費されている。例えば「そもそも良い文書というのは云々」「問題は日本の国語教育にあり云々」「英語では文法が云々」。そのような回りくどい本にかぎって「結論を先に書くべし」と説いていたりする。
----
欠点は :
(1) 改善の根拠が書かれていない章が多い
例文と改善案を列挙するだけの章が多い。特に助詞の使い方に関する章で顕著だった。
日本語の文法はいまだ十分な研究成果が得られていないが、文法書からのエッセンスだけでも根拠として示してほしかった。
(2) 悪文のパターンがまだ少ない
例えば
・「美しい水車小屋の娘」のような曖昧な文についての章がない。日本語が曖昧な言語だとは私は思わないが、日本語では文法を破綻させずに曖昧な文を書けてしまうことは確かだ。曖昧さを避ける技術についても書いてほしい。
(1) 文書構成ではなく「文」に焦点
本書は、一つひとつの「文」をいかに理解されやすく書くか、というミクロな話題に重点をおいている。
他の文書作成本の大半は、英作文の技法を輸入しただけなので、資料集めや章立て構成といったマクロな話題の解説だけで終わっている。
これと対照的に、本書は文単位のミクロな分析に注力している。その結果この本は、日本語文法特有の問題を真正面から扱うことになった。これが際立った特徴である。
(2) 例文が豊富
ひとつの話題について、3〜5個くらいの例文・その改善例が挙げられている。本書の傍題は「77のテクニック」だから例文は数百にのぼる。しかも例文はどれも、実際に出くわしそうな悪文である。
本書の例題に目を通せば、大量の文書校正を実際にやってみた場合と同程度の経験値を得られるだろう。
(3) 前置きが短い
本書では、「はじめに」「目次」の後、いきなり「第1章 短く書く / ヒント01 短く言い切る勇気を持つ」と本題に入る。読者が知りたいことが真っ先に書いてある。
他の文書作成本の大半では、第1章は、読者にとって無意味な能書きで浪費されている。例えば「そもそも良い文書というのは云々」「問題は日本の国語教育にあり云々」「英語では文法が云々」。そのような回りくどい本にかぎって「結論を先に書くべし」と説いていたりする。
----
欠点は :
(1) 改善の根拠が書かれていない章が多い
例文と改善案を列挙するだけの章が多い。特に助詞の使い方に関する章で顕著だった。
日本語の文法はいまだ十分な研究成果が得られていないが、文法書からのエッセンスだけでも根拠として示してほしかった。
(2) 悪文のパターンがまだ少ない
例えば
・「美しい水車小屋の娘」のような曖昧な文についての章がない。日本語が曖昧な言語だとは私は思わないが、日本語では文法を破綻させずに曖昧な文を書けてしまうことは確かだ。曖昧さを避ける技術についても書いてほしい。