ねずさんと語る古事記・弐 ~天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神 の感想
参照データ
タイトル | ねずさんと語る古事記・弐 ~天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神 |
発売日 | 2017-06-15 |
製作者 | 小名木善行 |
販売元 | 青林堂 |
JANコード | 9784792605933 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
『古事記』の原文、読み下し文、現代語訳を示した上で、それに詳細な解説を加えるシリーズの第二弾。前半に、須佐之男命と八俣遠呂智の逸話、後半に大国主神の精神の成長の物語が収められている。これまではただの神話として見過ごされて来た、『古事記』の物語に籠められた深い意味を、これほどまでに丹念に、かつ正確に掘り起こした解説書が過去に存在したとも思えず、「壱」に引き続き、著者の卓越した洞察力に繰り返し目を瞠るとともに圧倒された。従来の解釈の下(もと)で生じるあからさまな矛盾も、著者は、「以音」の断りがない点に着目し、漢字の意味を丁寧に探ることで、通説とは異なる解釈を導き出し、矛盾なく解説を施している。ただ、後半は、物語自体がやや緊張感を欠き、記述内容が散漫になっているような感じも受ける。