暗闇のアリア の感想
参照データ
タイトル | 暗闇のアリア |
発売日 | 2017-07-14 |
製作者 | 真保 裕一 |
販売元 | KADOKAWA |
JANコード | 9784041057001 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド |
購入者の感想
夫の自殺に納得できず、真相を追う妻。凡庸な作者なら、この妻の意見にそのまま同意する協力者がすぐ現れるのですが、そこはさすがに真保裕一。無理やりに話を聞くことになった刑事は、頭のおかしい女と思って相手にしない。ご都合主義で話を進めていかない作者の姿勢にまずは引き込まれていきます。そのまま中盤までは、どんな謎が隠れているのかが読者も見えず、話も加速していきます。
が、犯人の正体や意図が見えてきて以降、焦点がどんどんぼけてきて失速。
自殺大国日本で、自殺にみせかけて殺していくサイコキラーの存在は面白いのですが、逆に犯人の心理構造や、人を助けたいという使命感を抱いていた者が、なぜ別の道に進んだのか、そこの人物像を深堀りしていかないと、説得力がある作品にはならないのかなと。
力のある作者だけに、傑作に仕立てることができた素材だと思うと、残念な気持ちになります。次回作に期待します。
が、犯人の正体や意図が見えてきて以降、焦点がどんどんぼけてきて失速。
自殺大国日本で、自殺にみせかけて殺していくサイコキラーの存在は面白いのですが、逆に犯人の心理構造や、人を助けたいという使命感を抱いていた者が、なぜ別の道に進んだのか、そこの人物像を深堀りしていかないと、説得力がある作品にはならないのかなと。
力のある作者だけに、傑作に仕立てることができた素材だと思うと、残念な気持ちになります。次回作に期待します。