工藤北斗の合格論証集 民法 の感想

かなり内容に誤りが含まれています。また誤字や引用ミスが多いです。そうした誤りに気づき、自分で修正するだけの知識がなければこの論証集は有害です。
一方そうした知識があれば、民法上の論点を整理し、思考過程の一本化を図ることができると思います。

LECのエース講師・工藤北斗先生の論証集です。
従来から論じられてきた典型論点に加え、近年の司法試験で問題となったややコマイ論点も収録されており、網羅性は高いと考えます。また、文章も読みやすく、短期間で繰り返すことも容易といえましょう。
工藤先生の論証集をマスターすることで、典型論点を素早く想起できるようになり、また典型論点と現場思考の見極めがしやすくなると考えます。
少なくとも、論点に関する知識はこれ一冊で充分でしょう。

ここからは余談になってしまうのですが、ロースクールが発足してから分厚い基本書や判例集を読み込む「本格派」な勉強法が普及し、ごく基本的な知識や処理手順が軽視されてるように思えます。
基本も過去問もやらずに、「本格的な演習書や学校のゼミで本物の力をつけよう」などと触れまわる、エストバキア軍事政権のような輩も散見されます…
このような状況だからこそ、基本知識や処理手順を重視して、地に足がついた勉強をするため、工藤先生たちには頑張ってほしいと思います。