ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語 の感想
参照データ
タイトル | ジャッカ・ドフニ 海の記憶の物語 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 津島 佑子 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087716610 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者 |
購入者の感想
ハポ(かあちゃん)はアイヌの地の旅籠の納屋でおらを産んで、チカップと名付けてくれました。父はニホン人のようですが、誰だかわかりません。じつはほかのこともほとんどわかりません。だけど、ジュリアン兄しゃまがほんのすこしだけ誰かから聞いたことをもとに、チカとハポの話を考えては話し、考えては話し、してくれたのです。ビブリヤ(聖書)もヒントにしたのかも知れません。
チカの本当の名前はチカップです。鳥という意味です。だけど、皆、おらをチカと呼びます。日本のおなごの名前として通じるからでしょうか。それとも、イスパニアの言葉では、チカはおなごのことだからでしょうか。パードレ(神父さま)はチカを「あんじょ」(エンジェル、天使)と呼んでくれました。チカップもあんじょも空を飛べます。
チカはパードレの学校に行くジュリアン兄しゃまと一緒にアイヌの地からヒラド、そして、マカオに行きました。すごい嵐や病気があったのに、何とか辿り着きました。チカはマカオのきりしたんたちに助けられ、育てられました。童だったチカもおとなに近づきました。だけど、マカオを離れなければならないことになり、兄しゃまとも・・・。
ジャワからチカは兄しゃまに手紙を書きました。兄しゃま、どうしていますか。日本できりしたんの反乱があったといううわさがここにも届きました。もしかしたら、兄しゃまがその大将だったのではありませんか。兄しゃまは、どこでチカの手紙を読んでくれているのでしょうか。もしかしたら、パライソでしょうか。
チカは童のころからマカオを出るまで、ずっと、兄しゃまや、朝鮮人で日本人の奴隷にされていたペトロさま、カタリナさまたち、きりしたんと一緒でした。パードレは「耳も聞こえん、口もきけん(じつはそうじゃないのですが)、チカのような半分えぞの子どもには、おらしょ(祈祷文)なんぞ必要ないのさ、はじめからデウス(神)さまがとくべつに守っていてくださる」と言ってくださいました。
チカの本当の名前はチカップです。鳥という意味です。だけど、皆、おらをチカと呼びます。日本のおなごの名前として通じるからでしょうか。それとも、イスパニアの言葉では、チカはおなごのことだからでしょうか。パードレ(神父さま)はチカを「あんじょ」(エンジェル、天使)と呼んでくれました。チカップもあんじょも空を飛べます。
チカはパードレの学校に行くジュリアン兄しゃまと一緒にアイヌの地からヒラド、そして、マカオに行きました。すごい嵐や病気があったのに、何とか辿り着きました。チカはマカオのきりしたんたちに助けられ、育てられました。童だったチカもおとなに近づきました。だけど、マカオを離れなければならないことになり、兄しゃまとも・・・。
ジャワからチカは兄しゃまに手紙を書きました。兄しゃま、どうしていますか。日本できりしたんの反乱があったといううわさがここにも届きました。もしかしたら、兄しゃまがその大将だったのではありませんか。兄しゃまは、どこでチカの手紙を読んでくれているのでしょうか。もしかしたら、パライソでしょうか。
チカは童のころからマカオを出るまで、ずっと、兄しゃまや、朝鮮人で日本人の奴隷にされていたペトロさま、カタリナさまたち、きりしたんと一緒でした。パードレは「耳も聞こえん、口もきけん(じつはそうじゃないのですが)、チカのような半分えぞの子どもには、おらしょ(祈祷文)なんぞ必要ないのさ、はじめからデウス(神)さまがとくべつに守っていてくださる」と言ってくださいました。