アメリカが今も恐れる 軍事大国ニッポン ―緊迫する東アジア核ミサイル防衛の真実 の感想

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タイトルアメリカが今も恐れる 軍事大国ニッポン ―緊迫する東アジア核ミサイル防衛の真実
発売日販売日未定
製作者菅沼 光弘
販売元成甲書房
JANコード9784880863474
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般

購入者の感想

 日米関係だけでなく、アジア諸国やロシア、さらには中東問題も含め、軍事を中心とする世界の動きを縦横に語った一冊。著者は、国際情勢の裏側につき、非常に幅広い知識を有しているものの、記述に取り留めがない上に、単に知識が披瀝されているだけで、そこから導き出される著者の考えがあまり述べられておらず、読み応えはそれほど大きくない。序章の最後に、「語り起こしの原稿を元に書いたものですから、話が重複したり、時間が前後したりする箇所がありますが、話し言葉をベースにしたものですから、ごく読みやすい本です。」と手前味噌が語られているが、読みやすいということと理解しやすく面白いということは別次元のことである。たとえ語り起こしであっても、それを原稿にするに当たっては、主題ごとに話の内容を整理し、そこから予想される今後の展開への考察を加えれば、記述に深みが増したはずであり、同時に、軍事や戦争のことになると思考が停止するように飼い馴らされた戦後の日本人に意識改革を迫ることも出来たはずである。著者が広い知見を備えているだけに、なおさらこの点は惜しまれる。
 今年6月のムスダンの発射実験の成功に伴い、アメリカが日本に高額なTHAADを買わせようとしているのは、裏でアメリカと北朝鮮が繫がっている可能性もある、という指摘は、政治資金の問題で保守論壇から外されてしまった(残念です……)田母神俊雄氏の、「アメリカは、マス・メディアを通じ、北朝鮮の不安を煽っている。」という指摘と重なる。本書にはそこまでのことは書かれていないが、アメリカは、日本と朝鮮半島の関係を永遠に安定させないために、北朝鮮の核兵器の開発を蔭で援助していることも考えられるし、同じ理由で、南北朝鮮を永遠に統一させないつもりである、とも言えるであろう。どんな国でもそうだが、アメリカは、自国の国益しか考えておらず、「日本のために」などということは毫も考えていない。「アメリカは正義の国なのだから、いざとなれば日本を守ってくれるはずだ。」と信じ込まされている日本人のどれほどが、この厳然たる事実を弁えているであろうか。本書の別の箇所にあるように、アメリカが、南シナ海に軍艦や飛行機を送っているのは、何もこの地域の安定を望んでいるからではなく、中国の原子力潜水艦が太平洋に出て自国がミサイルの射程に入ることを警戒してのことなのである。

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