新・自衛隊論 (講談社現代新書) の感想

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参照データ

タイトル新・自衛隊論 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者自衛隊を活かす会
販売元講談社
JANコード9784062883207
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 軍事入門

購入者の感想

自衛隊を活かす会編著『新・自衛隊論』(講談社現代新書、2015年)は日本国憲法の下で誕生した自衛隊を活かすための提言である。自衛隊を活かす会は柳澤協二・元内閣官房副長官補が代表、伊勢崎賢治・東京外国語大学教授、加藤朗・桜美林大学教授が呼びかけ人を務めている。本書は数多くの安全保障の専門家や元幹部自衛官が執筆している。執筆者各々の見解が書かれており、必ずしも会として統一されたものではないが、様々な意見に触れることができる。

本書は自衛隊を否定せず、一方で集団的自衛権や国防軍に走る訳でもないというスタンスから書かれている。単純な賛成派にも反対派にも与しないというスタンスである。単純な賛成派に対しては、安倍政権が米国との防衛協力に前のめりになっていることの問題点や無謀さを現場の知見から批判する。単純な反対派に対しては「ただ反対だけを唱えていても、そこには現実味がない」との煽り文句に凝縮されている。

安全保障の議論は賛成派も反対派も「国民を守る」「殺し殺される国にしない」と観念をぶつけるばかりの傾向がある。両者の対立は激化しているが、その間には多数の政治的発言をしない人々が存在する。彼らは無関心層と形容されるが、安全保障政策に無関心とは限らない。単に冷戦を引きずっているようなイデオロギー対立に無関心なだけかもしれない。本書の議論は純粋に安全保障政策に関心がある人々に届く議論である。

これは反対派には耳が痛い話である。戦後日本の平和主義には兎に角「平和が好き」「戦争が嫌い」という思いがあったことも否めない。軍事について考えることも嫌である。保守派からは「平和ボケ」と揶揄されるが、「平和ボケ」で何が悪いという発想もある。そのような立場からは、本書のような自衛隊の最前線の現場の議論をすること自体に拒否感を抱くかもしれない。本書のような議論が政治や社会の中に入ってくること自体を危険視するかもしれない。

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