「ウルトラマン」の飛翔 の感想

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参照データ

タイトル「ウルトラマン」の飛翔
発売日販売日未定
製作者白石 雅彦
販売元双葉社
JANコード9784575312058
カテゴリジャンル別 » エンターテイメント » 演劇・舞台 » 演劇

購入者の感想

同じ著者による『「ウルトラQ」の誕生』の続篇である。
様々な資料と取材を駆使して、『ウルトラマン』制作の過程を検証して行くところは、良質のミステリを読むような知的興奮がある。

さらに、『ウルトラQ』の時とは違い、時間が切迫している状況での企画・制作なので、スリルとサスペンスをも感じさせる迫真のドキュメンタリーだ。
もちろん、対象が『ウルトラマン』だから、エモーショナルであることは言うまでもない。その中でも印象深かったのは、金城哲夫の作家としての目覚めを検証した第四部で、エポックとなった第20話「恐怖のルート87」は、リアルタイムで観た時から深い感銘を味わったエピソードでもある。
自分が死んだら、葬式に『ウルトラマン』の音楽を流してほしいと、真剣に思った。
この時点で『ウルトラマン』は、自分にとって、単なる娯楽番組ではなくなったのだと思う。
「恐怖のルート87」のシナリオが形になるまでの過程は、『ウルトラマントレジャーズ』に収録された、金城哲夫の復刻ノートで読むことが出来る。金城の肉筆とともに、創作の推移を味わうことが出来るので、併読すると二倍楽しめる。
また、野長瀬監督作品に対する評価の低さは、前々から気になっていたことで、本書できっちりと評価されているのも嬉しい。
リアルタイム視聴者の一人として、野長瀬作品の数々は、実相寺組の作品群よりもずっと心に響いたことを記しておきたい(実相寺作品の味わいに追いついたのは『怪奇大作戦』の頃だった)。
などなど、読み進むうちに、著者と対話しているような気分にさせてくれる本でもあった。
全ウルトラマン・ファン必読の一冊である。
あとがきで予告された『ウルトラセブン』ドキュメンタリーにも期待したい。

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双葉社から発売された白石 雅彦の「ウルトラマン」の飛翔(JAN:9784575312058)の感想と評価
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