はじめての憲法教室 立憲主義の基本から考える (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトルはじめての憲法教室 立憲主義の基本から考える (集英社新書)
発売日2013-10-17
製作者水島 朝穂
販売元集英社
JANコード9784087207125
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法

購入者の感想

改憲について問うた新聞アンケートの結果と、自民党の改憲草案を資料にして、学生と教授が討論している。その対話形式の内容が読みやすく、また取り上げられている疑問が、これまで自分自身もクリアには理解できていなかった部分であるため、対話にすっと入っていかれ、あっという間に読めた。憲法の成り立ちの歴史的背景の解説が入っているので、三権分立とかマグナカルタとか、単に用語として机上で学んだ無機的な事柄が、現実に「国民」として暮らす自分とに、結び付けて理解でき、「だからこうなったのか〜」といちいち納得できる。
特に目が開かれたなあ〜と思った点は、近代の国家運営、国家と国民の理想的な(最善ではないが次善ではある)関係性、権力から守られるべき人権を考える上で、多数決原理が働いてしまう「民主主義」だけでは十分ではなく、そこに「立憲主義」がプラスされて初めて、小さな個人の生命や思想が守られるということ。そういうニュアンスが読み取れる。そして、誤用されている「人権」の、正確な意味もわかった。
それにしても、学生らの疑問や意見が秀逸と感じた。中でも自分の世代として驚いたのは、『ジョニーは戦場へ行った』という、かつて非常にセンセーショナルな話題となった映画の話が出ていたことだった。現代の若者がその映画を観て語っているのを読み、全然忘れていたので今一度自分も観たいと思い、早速大手ビデオレンタル屋で借りてみたが、そのものすごく優れた内容に、今さらながら驚いた。この映画はすごい!!
選挙制度に関しての、学生のユニークで極端な試論や想定がまた面白い。彼らのように、敢えて極端なことを考えてみつつ、そこから、「では実際にできることは何なのか」を具体的に考えていく手法は、自身の認識や意見を吟味、整理する上で、とても参考になる。
大事なことは、何事もメリットとデメリット両方をきちんと調べて理解しておくことだと思う。その上で自分はどう判断するのか。時代は流れても、人間のやることにそう違いはないだろう。東北の津波の際にも思ったが、歴史や過去の行いを知り、前轍を踏まないよう、地味でも目先の利益や短絡的でない賢い選択ができるようになりたいものだと、この本を読んであらたに思った。

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