カエルの楽園 の感想

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参照データ

タイトルカエルの楽園
発売日販売日未定
製作者百田 尚樹
販売元新潮社
JANコード9784101201924
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購入者の感想

ごく一般的な日本人にとって、戦争とは、遠い外国の話で、自分たちには関係ないことと思っている。その現代の日本で、戦争の危機が近づきつつある現実の世界など、考えたこともないし、考えたくもない。例えば、そうした日本人が最近目の当たりにした安保関連法案の国会審議の一連の流れを見ていると、考えたくないことを考えざるを得ない今の平均的日本人が漠然と覚えた、ある種の苛立ち、切迫感は、寧ろ、ないこと、起こり得ないこと、考えてはいけないことにして、そんな議論からさっさと逃げて、一刻も早く楽になりたいという、逃避行動に結びつく人たちが浮き彫りになった。
何故なら、今まで、ずっとそうしてきたし、それでいて、何か不都合なことに自分たちが巻き込まれることはなかったからに他ならない。だから、余計な議論が生まれて、安泰だった平和な生活が脅かされるような場面は、甚だ迷惑なことなのだ。
この「カエルの楽園」が、一方から、徹底的にこき下ろしの材料に使われ、批判、非難、誹謗中傷の嵐に見舞われながら、また、一方で、絶賛と共鳴の声が、多く寄せられるような本も、近年では珍しい。
つまり、賛否両論が巻き起こる稀有な題材になった本だと言える。そして、この賛否の声は、そのまま、いみじくも日本の憲法論議を活発化させた顕著な例になっているのではないかと思う。寓話が、国の本質を議論する格好の材料を提供する題材になったことを、著者がどこまで予測したかは知らないが、考えたくもないことを考えざるを得ない状況に日本が立たされている今、まさに、この寓話一つが考える絶好の材料を提供してくれたように思うのだ。

因みに、しょっちゅう誤解され、或いは意図的に混同されていることがある。
「戦争ができる」ということと、「戦争をする」ということは、全く次元の異なる話だ。
「戦争ができる」という事は、憲法だけではなく、法制度を整え、有事の時、法治国家として、どのような備えをしておくべきかという制度設計の議論であるのに対し、「戦争をする」という事は、その時々の政治状況が国家危急の条件を満たし得るのか否か、そして、そのとき保有する軍事力が、そのときの脅威に対応可能かどうかを検討して判断するオペレーションの話である。

読んでみる価値あります。非常に簡単にわかりやすい文章で書かれている物語ですが、日本の歴史としてはかなり精度が高いです。
初めて知ったことが沢山ありました。みんな読んだ方がいいです。

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