コクヨ ノ-LB208HS リサーチラボノート<HG>(ハード表紙) [単品] の感想

　一連のSTAP細胞騒動で大変に話題になっている｢実験ノート（ラボノート）」ですが、このコクヨのハードカバーは、必要な仕様を全て満たしていて大変に使い易い。価格は安くないが、学生に実験研究成果は価値あるものである,特に生データが重要であると言うことを印象づけるためにも、大変実用的です。海外の実験ノートと較べてし遜色ないし、紙の耐性強度、筆記のし易さ、造り全てが「日本品質」で合格です。
　少なくとも、私の世代では実験ノートをしっかり記載して保管するという教育を受けた記憶は全くありません。その無知のままで、アメリカと日本とで、医薬系の研究所で厳しい管理の中でラボノートに記録をつけることと、そのノートを提出して保管する事の現実を見てきました。

　「空気として」の詳細で正確な記録を取る残すことを避け（としか言えない）、公開することを忌避する組織文化が根付いた日本が変わる第一歩になることを、今回の一連の騒動の結果として期待しています。多くの書籍を含めた記録･文書には、出所・引用文献が、英語圏に比べ大幅に欠けていることが多く、オリジナルに対する尊重が少ない日本の伝統の中で、組織の中に埋もれさせないためにもこうしたオリジナルを記載とその保存に対して、形式的な規則と組織を制定するだけでなく、実効性のある形で運用できるシステムとして、資源とエネルギー、人をしっかり投入することで、グローバル化していく基盤となればとおもう。

　なにより、学生の行う小さな追試実験研究であったとしても、こうしたしっかりしたノートに記録することで、誰それが何時何処でいかに行った実際の研究結果として、価値あり尊重すべき「オリジナルの仕事」であると言う実感をする効果があり、その結果はいつまでもしっかり残るので、結果責任を将来にわたって負うことの重みを感じることが出来る。

追記：オリジナルのロゴ・名入れがコクヨS&T株式会社でしてもらえる。実際にない理を使っていますが、一段と重みを感じます。