プロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった の感想

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タイトルプロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった
発売日2015-06-05
製作者赤坂英一
販売元講談社
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カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

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2002年9月24日、就任1年目の原監督がリーグ優勝を決めた日がルポの出発点です。当時は、著者が云う「巨人が巨人らしかった時代」。松井秀喜が4番を打ち上原浩司がエースとして投げていました。しかし、本書の主役は彼らではありません。その日、甲子園での阪神戦に先発した入来祐作。サヨナラ・ワイルドピッチで、負けながらの優勝という珍事を演じた前田幸長。一軍から外れ、ひとり自宅の浴槽でビールかけをした福井敬治。数日後に巨人から戦力外通告を受ける小野剛。その日以降の彼らの人生が、読む者を惹きつけます。
プロ野球選手は全員、いつの日か「戦力外」になります。しかし、ほとんどの選手は自分でそれを決めることができません。ある日突然に、あるいは多少の覚悟の中で、いずれにしても一方的に決められます。野球への未練、自分はまだやれる?自分への問いかけ、生活への不安、家族の支え、様々な葛藤と決断と行動。著者は、彼らの姿をよく見つめ、話しを聞き、描き出してくれています。そして、戦力外になりながら、野球が発する強力な引力を受け続ける彼らの姿から、野球の奥深い魅力が伝わってきます。
彼ら以外にも、宮田征典氏など多くの球界人が登場しますが、著者が長年培った取材力を感じさせます。
野球を愛する男たちの延長戦は、野球のようにエキサイティングです。

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