戦争と平和 (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル戦争と平和 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者百田 尚樹
販売元新潮社
JANコード9784106107313
カテゴリ »  » ジャンル別 » 社会・政治

購入者の感想

この本を読み始めた時、たまたまNHK番組『NHKスペシャル・戦慄のインパール 最も無謀な作戦はなぜ』を見た。

(内容紹介)→相手の戦力や兵站を軽視した無謀な戦いで甚大な死傷者を出し、旧日本軍の体質を象徴的に示したとされる「インパール作戦」。「援蒋ルート」の遮断を主目的とし、ミャンマー(当時ビルマ)からイギリス軍の拠点があったインド北東部のインパールの攻略を目指した日本軍は、この作戦で歴史的敗北を喫した。餓死・戦病死した日本兵の死屍累々が並んだ道が「白骨街道」と呼ばれるほど凄惨な戦いの実態はどのようなものだったのか。これまでインドとミャンマーの国境地帯は戦後長く未踏の地だったが、今回、両政府との長年の交渉の末に現地取材が可能となった。さらに、新たに見つかった一次資料や作戦を指揮した将官の肉声テープなどから「陸軍史上最悪」とされる作戦の全貌が浮かび上がってきた。数々のスクープ映像と新資料、証言からなる「インパール作戦」の全記録は、決して忘却してはならない悲劇の記憶を、未来へと継承していく。

「無謀な…」というのはいささか単細胞的に使われることが少なくないが、インパールに関しては、そう形容をされるのは無理もない…。
百田さんの、この本でも、インパールについてこう述べている。

「日本軍の一番の問題は、上に立つ高級士官たちが、失敗しても厳しく責任を問われることがなかったことです」「多数の餓死者を出したインパール作戦の責任者の一人は、牟田口廉也陸軍中将でした。そもそも作戦そのものが無謀極まりないものでした。多くの部下が反対しましたが、牟田口は彼らを更迭してまでこの作戦に固執し、むざむざと多くの兵士の命を失いました。もちろん作戦は大失敗です。しかし彼はまったくその責任を取らされませんでした。司令官こそ罷免、予備役に編入されたものの、その後は陸軍予科士官学校長をつとめています」

一気に読めたという感想をよく見ましたが、本当にそうでした。ぐっと心を掴まれて途中でやめられなかった。
特に永遠の0を読んだ人は、絶対に読んだ方がいいです!!!!
それに今、日本人が本気になって考えないといけない「なぜ憲法改正なのか。」という問いにもしっかり答えてくれています。
あー読んでよかったです。必読書です!!!

著者の前作「今こそ、韓国に謝ろう」でも驚かされたが、今回も全く同様のことが起きたようだ。つまり、ひとつの事柄・分野に関して著述を重ねてきた専門家諸氏よりも、ずっと分かりやすく、しかも、より深く「本当の問題は、何であったのか」を、今回も著者、百田尚樹さんが我々に詳しく説き聞かせる。「なるほど」、「やはり、そうだったんだ」と唸らされることの連続だった。

今回は、特に「戦争」と「日本人」についての分析が淡々と、史実や事実に基づいて、ポイント、要領を得た解説が、なされている。例えば、

《石油のために始めた戦争で、石油を守ろうとしない海軍》

「日本がなぜ大東亜戦争に突入せざるをえなかったかといえば、石油の禁輸措置が最大の原因であるという点は、現在では異論のないところでしょう。(中略)アメリカの潜水艦は番犬のいない羊たちのような油槽船を大量に撃沈しました。」
「 困った内務省は、海軍に要請 (中略) 何とか油槽船を連合艦隊で護衛してもらえないか、と。」
「ところが、これを連合艦隊は断わってしまいます。(中略) 海軍は自分たちが使う石油のために民間人を使い、彼らを守ろうともしなかったのですから、酷い話です。」

《軍や官僚が、何ら責任を取らされることもない無責任な体制》

これは「現在に至るも続いている」ことを、著者が指摘。
・ 省益だけを追求する官僚。
・ 現政権を倒すための外国の工作活動の手先となっての動きとしか思えないマスコミ。
・ これら、現在の日本の危機的状況、問題点の数々の背景を説き尽くす。

上記の点は、この本の、最もコア(中心)な部分であり、興味深い点ではないかと思いますので、いま少し引用。

「初めに私は申し上げました。『戦争という極限状況下においては、その民族あるいは国家の持つ長所と短所が最も極端な形で現れる』と。そう、高級将校が責任を取らないという構造は、日本人の持つ大きな欠点なのです。」

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新潮社から発売された百田 尚樹の戦争と平和 (新潮新書)(JAN:9784106107313)の感想と評価
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