人類への道 知と社会性の進化 (別冊日経サイエンス) の感想

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タイトル人類への道 知と社会性の進化 (別冊日経サイエンス)
発売日2017-04-17
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532512194
カテゴリ »  » ジャンル別 » 科学・テクノロジー

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「サイエンス・アメリカ」をベースにした科学雑誌「日経サイエンス」から、人類の進化に関する記事を集め、4章に分けて編集されたものである。

今、地球上には人類は私たち現生人類(ホモ・サピエンス)しか存在していないが、かつてはそうではなく、広い意味での人類(ホミニン)には歴史上いくつもの種類があったことがわかっている。「第1章 化石発見の最新情報」では、人類の共通の故郷とされるアフリカを中心に、ホミニンに関する近年の考古学的な発見を紹介。人類が歩んできた複雑に枝分かれして曲がりくねった歩みを感じさせる。

「第2章 猿人からホモ属への変化」では、約700万年前に類人猿から枝分かれし、さらに200~300万年前にアウストラロピテクス属からホモ属に移行した人類の変化が、何によってもたらされどう変わったのかについての学説が集められている。例えば、大型肉食動物種の衰退とほぼベジタリアンだった人類の祖先が動物性食物に大きく依存し始めた時期が一致しているという。また、アフリカの大きな気候変動の時期と人類の祖先に生じた大きな変化の時期も一致しているという。肉を加熱調理して食べる習慣が生まれたことが腸の長さの短縮や歯の小ささや、効率的なエネルギー吸収による脳の大型を生んだと主張している学者もいる。GPS衛星で撮影した画像からコンピュータで化石のありそうな場所を見つける研究も紹介されている。

「第3章 ヒト誕生の理由を探るヒトとその社会の特徴」では、まず、人類とDNAが99%同じチンパンジーの平均寿命が13年であることを筆頭に他の多くの動物と比べてもホモサピエンスの寿命がかなり長い理由と、進化のどの過程でそのように長い寿命になったのかという理由として、肉食をはじめたことで防御機能が進化したことが関係しているという仮説が載っている。一夫一妻になった理由、直接血のつながりがないグループ同士でも協力しあうことができる特徴がホモ・サピエンスを地球上で最強の生物種になったという説や、石器を中心に道具作りが人類の脳の進化にどういう影響を与えたかという研究の説明もある。

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