ピノキオ スペシャル・エディション [DVD] の感想

ブルーレイ版 『ピノキオ プラチナ・エディション』 のレビューです。

「 デジタル・リマスターによる美しい映像とサウンドを… 」
という、お馴染みの売り文句で発売されたブルーレイ版『ピノキオ』ですが、確かに映像が鮮明ですばらしかったです。
クリエイターの熱気や魂が感じられるすばらしいシーンの連続で、最初から最後まで見入ってしまいました。
音声も 7.1ch 化。本国アメリカで発売されたピノキオのブルーレイ (北米版) に収録されている「オリジナルのモノ音声」は収録されていません。

特典映像は約105分ほど。
(音声解説、ポップアップ・トリビア、シネマ・ナビゲーション、ソング・セレクションを除く)
ゲーム＆アクティビティも入ってますがとてもつまらないです…。
アート・ギャラリーは計575枚。一部 VIDEO ギャラリーも。

北米版のブルーレイには、インターネットに繋いで特典映像を楽しめる「BD-Live」が収録されていますが、残念なことに日本版ではカットされちゃってます。
ですが、それ以外のボーナスコンテンツはすべて日本版にも収録されています。

音声解説はディズニーにしては珍しく日本語音声化されているので、絵に集中しながら解説を聞くことができます。
そしてこの解説が面白い。購入したら絶対に見た (聞いた) ほうがいいです！

※ シネマ・ナビゲーションは「このコンテンツはボーナスビュー対応の機器でご覧ください。」と表示され、再生することができませんでした。

最後に、ピノキオは子供が見るより大人が見たほうが楽しめると思います。
木の人形だったころのピノキオの動き、登校シーンでのカメラワーク、水中のシーン… などなど、1930年代後半に手書きで描いていたと思いながら見ると、その職人技にきっと驚くと思います。子供にとっては暗くて怖いだけの作品かもしれません。

1才と2才の子供がたのしく見ています。
このビデオを見せてから、イタズラ好きの長男を叱る時には『そんな悪い子は鼻が伸びちゃうよ！』の一言で良い子になります。
ビデオを見ている時は夢中でテレビにクギ付けなので、私ののんびりとした時間も作れて親子共々楽しい時間を過ごしています。

【画質】
映像はかなり綺麗です。
ただただ驚かされる映像美。
約70年前の作品とは到底思えない、素晴らしい出来に仕上がっております。
フィルムグレインはなく綺麗ですっきりとした映像。
シャープさはよくしっかりとした輪郭が綺麗に出ています。
描き込まれた美しい背景、そこで滑らかに動き回るキャラクター。
キャラと背景が分離され、ディズニークラシックらしい映像美を堪能できる。
暗部の諧調表現もよいもので、色が丁寧に出て細かい作り込みを見事に再現しています。
とにかく滑らかに動く映像も全く破綻する事がない。
ラスト付近の水中や水しぶきのシーンなどは圧巻の一言。
どのシーンを取っても動く絵画を見ているような気分にしてくれる。
このアニメーションをこれだけ綺麗に楽しむ事ができるのは素晴らしい事です。
発色も良く、色彩豊かな映像を丁寧に映し出しています。
そして圧巻の小傷やゴミの一切ないクリアな映像美。
約70年前の作品が何故この美しさになるのでしょう。
マスターの良好状態だけでなく、とても丁寧な修正を加えた事が伺い知れます。
作品を大事にするディズニーの凄さが分かる仕上がりに。
とにかく素晴らしい出来となっています。
他のBD作品と比べるとかなり綺麗な部類に入ります。
約70年前の映像という事を考慮しなくても素晴らしい画質。
「眠れる森の美女」でも十分に驚かさせてくれましたが、それを上回るような衝撃を受ける。
【音質】
音も中々のもの。
映像とは違い、どうしても作り自体の古さをダイレクトに感じてしまう。
それ故に相対的な音質という面では、最新のものと比べると当然劣ってしまいます。
しかし、ロスレス7.1chで再現された音は今までのピノキオとは明らかに違う。
重低音は厚みのある音となっております。
高音も大変綺麗な音が出ている。
ただ、どうしても音自体がこもってしまうような感があるのは仕方ないか。
サラウンド感は驚く事ができます。