学会・論文発表のための統計学―統計パッケージを誤用しないために の感想
参照データ
タイトル | 学会・論文発表のための統計学―統計パッケージを誤用しないために |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 浜田 知久馬 |
販売元 | 真興交易医書出版部 |
JANコード | 9784880038612 |
カテゴリ | ジャンル別 » 医学・薬学・看護学・歯科学 » 医学一般 » 医療統計学 |
購入者の感想
理工系の分野で論文を書いたことがありますがこれから医療系の論文を書くことになるので統計学の勉強をしたく、類書を何冊か読んだあとにこの本にたどり着きました。
乱暴に言うと統計学の本は
・統計要約値、検定、相関などについて、数学的背景を含めて説明している
・「このように操作すれば検定ができます」と、ExcelマクロやSPSSの操作法等が添付されている
に大別されると思います。後者の操作説明本は、確かに全く同様の研究ケースだとわかりやすく実用的ですが、実際にどの検定を当てはめようか、外れ値をどのように扱ったらよいかなどという細かい点については答えを与えてくれません。前者の基礎的解説本は、確かに知識は身に付きますが、実際の研究に当てはめようとするとなかなかうまくいきません。
そのような中、検定の性質、当てはめ方について詳細に平易な文章で書かれており非常にわかりやすかったです。
乱暴に言うと統計学の本は
・統計要約値、検定、相関などについて、数学的背景を含めて説明している
・「このように操作すれば検定ができます」と、ExcelマクロやSPSSの操作法等が添付されている
に大別されると思います。後者の操作説明本は、確かに全く同様の研究ケースだとわかりやすく実用的ですが、実際にどの検定を当てはめようか、外れ値をどのように扱ったらよいかなどという細かい点については答えを与えてくれません。前者の基礎的解説本は、確かに知識は身に付きますが、実際の研究に当てはめようとするとなかなかうまくいきません。
そのような中、検定の性質、当てはめ方について詳細に平易な文章で書かれており非常にわかりやすかったです。
統計学がブームであるが、果たして本質をちゃんと理解して使っているだろうか(特にソフトウェアの操作方法だけを学んで分析している人)。
本書はサブタイトルに「統計パッケージを誤用しないために」とあるように、まさにそうした人に向けた副読本である。
内容は、標準誤差と標準偏差の違い、検定・検定力の意味、多重比較のやり方、ロジスティック回帰分析の注意点など、かゆいところに手が届くものばかりで、あいまいだった理解を補強してくれる。まさに本質を理解することができる。
よって本書は始めて統計学を始める人が読んでも、この本の素晴らしさは理解できない。意味も分からないだろう。
逆にある程度分析をしている人が読めば、たくさんの気づきが得られ、初級から中級への橋渡しになるだろう。
最後の章に生存時間解析が取りあげられており、分かりやすく解説されているが、Cox回帰まで解説していないのが残念だった。他の章に比べ薄いので、最後に力尽きた(ページが足りなくなった?)感が否めない。また取り上げている事例が(著者の専門上仕方ないのだが)生物・医学系のもので、いまいちピンとこないものばかりなのも惜しいところだ。
本書の最大の欠点は価格が見合わないこと。旧版でも3200円、新版だと3800円は、明らかに高すぎる。このような良書が普及しない一因であるとも思われる。よって★を1つ減じた。
本書はサブタイトルに「統計パッケージを誤用しないために」とあるように、まさにそうした人に向けた副読本である。
内容は、標準誤差と標準偏差の違い、検定・検定力の意味、多重比較のやり方、ロジスティック回帰分析の注意点など、かゆいところに手が届くものばかりで、あいまいだった理解を補強してくれる。まさに本質を理解することができる。
よって本書は始めて統計学を始める人が読んでも、この本の素晴らしさは理解できない。意味も分からないだろう。
逆にある程度分析をしている人が読めば、たくさんの気づきが得られ、初級から中級への橋渡しになるだろう。
最後の章に生存時間解析が取りあげられており、分かりやすく解説されているが、Cox回帰まで解説していないのが残念だった。他の章に比べ薄いので、最後に力尽きた(ページが足りなくなった?)感が否めない。また取り上げている事例が(著者の専門上仕方ないのだが)生物・医学系のもので、いまいちピンとこないものばかりなのも惜しいところだ。
本書の最大の欠点は価格が見合わないこと。旧版でも3200円、新版だと3800円は、明らかに高すぎる。このような良書が普及しない一因であるとも思われる。よって★を1つ減じた。