米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体 (角川新書) の感想

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参照データ

タイトル米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体 (角川新書)
発売日2017-06-10
製作者ケント・ギルバート
販売元KADOKAWA
JANコード9784040821634
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 法律 » 憲法

購入者の感想

「本書は積極的な改憲派が、自説を強化することに役立つかもしれません。しかし、本書を最後まで読んでいただければわかりますが、一部の改憲派の人たちには、かなり耳の痛い指摘もしています。例えば、自民党が2012年に発表した『日本国憲法改正案』の何が問題なのかということについても、正面から堂々と論じています」。

著者のケント・ギルバート氏は日本に長く住むカリフォルニア州弁護士の資格を持つ論客だが、元々アメリカの法科大学院で憲法学を学んでいるという。最近、わが国では憲法改正の議論がさかんだが、本書は日本に長く住み国際的な法律の知識も有している立場から、現行の日本国憲法の成立した経緯を詳しくたどりながら、憲法改正に関する著者の意見を述べたものである。いくつかポイントを挙げておく。

・日本国憲法第9条第2項の内容は憲法前文と矛盾があり、前文優位の原則に立つならこの第9条第2項は憲法違反といえる。
・日本国憲法の原案はGHQが作ったというのは「本当」であり、実際GHQ自身がそれを認めて詳細にその過程を英文の記録に残している(“Political Reorientation of Japan: September 1945 to September 1948”)。そして、その背景をたどると、現在の憲法原案は朝鮮戦争前でかつ冷戦が本格化する前の特殊な状況下と思惑で作られている。よって、その時とは大きく異なる現代の日本が置かれた状況に基づいて改憲するのは自然なことであるし、世界の国々も時代の変化や必要に応じて適時憲法の改正を行ってきた。
・近代法体系には「英米法」と「大陸法」の2つがある。日本は明治維新において急速な近代化と価値観の変化に直面したため、過去の判例を積み重ねた英米法ではなく、成文法で条文重視の大陸法を取り入れた。
・日本人には馴染みの無い考え方だが、実は憲法には「憲法典」と「憲法」があり、イギリスのように憲法典を持たない国でも憲法は何度も変えている。そして、「法律の定めるところにより」「法律でこれを定める」と書かれている箇所が30か所以上ある日本国憲法は、法改正による実質的な憲法改正がしやすい憲法典となっている。

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